ブックタイトルメカトロニクス9月号2013年

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概要

メカトロニクス9月号2013年

MECHATRONICS 2013.9 13所 在 地:U R L:事業内容:神奈川県相模原市http://www.mio-corp.co.jp/高齢者介護支援システム、(心拍)血流/呼吸センサ、ドップラセンサほか電子部品の企画/開発/販売、など。株式会社ミオ・コーポレーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クト『MIOライフサポートシステム』は、まだまだ開発段階ではありますが、介護だけでなくセキュリティやホビーなど幅広い分野に応用できる技術であると考えています。 『MIOライフサポートシステム』に関連 する製品についてお聞かせ下さい阿南:現状製品化しているのは、学習機能付きのマイクロ波制御で離床感知を行う『お元気センサー』になります(写真1)。特徴としては、①当社独自制御によるマイクロ波により生体認識を行い、対象者の活動を正しく認識する、②人がいる時と人がいない時の使用エリアの電波状況を正確に学習させることで、誤報を最小限に抑えることができる、といったことが挙げられます。 またこの製品は、接続方式の異なるシリーズ化を予定しており、お手持ちのPCやタブレット端末を通して、電子メールなどへの情報発信が行えます(写真2)。セットアップは、付属の専用ソフトウエアをお手持ちのPC、またはタブレット端末にインストールすることで簡単に行えます。現状では、Bluetoothタイプの『LS-101』のみですが、年内に随時製品化する予定です。 さらに、セットアップ用ソフトウエアをインストール済みの『MIOWHSタブレット端末』とセットにした『お元気センサー端末セット LS-101 SET』も用意しています(写真3)。特徴としては、①セットアップ済みなので、PCの扱いに不安をもたれる方にも安心して使用できる、②メールの設定のみで使用を開始することができる、といったことが挙げられます。 それから当社は、この『お元気センサー』を採用した『Wガードシステム』という提案も行っています。これは、就寝エリアを軸に安全に監視することができる新しいシステムで、バイタル情報から被介護者の状況をマイクロ波で24時間把握し、バイタル設置値を外れた場合はインターネットのメールでお知らせをする機能をもっています(図1)。 離床感知は、専用のソフトウエアでサポートエリアを設定し、そこから被介護者が外れるとメール発報します。マイクロ波で正確に生体認識を行い、高精度で判断します。またバイタル感知は、マイクロ波で常時、血流/呼吸/体の動きを検知する当社独自のバイタル検知システムを使用し、設定したしきい値を超えた場合は即時にメール発報を行うことも可能になります。 その他にも、様々なアプリケーションを増やすことにより、幅広い用途に対応することが可能になります(図2)。 今後の展開についてお聞かせ下さい渡辺:今回の『MIOライフサポートシステム』という介護プロジェクトは、まだまだ始まったばかりなので、この介護プロジェクトを軌道に乗せることが一番だと考えています。また、介護だけでなく、お年寄りの独り暮らしに何か異変があった時、外部に知らせるルームセンサなど新しい製品の研究開発も進めています。さらに、GPSと組み合わせて位置情報の確認をして、人の健康状態の確認を行うような研究も検討しています。これを製品化し、マラソンランナーに携帯してもらえば、健康状態を把握できるとともに「どこを走っているのか」という位置情報も合わせて把握できるようになります。 そして、今回開発したドップラセンサを採用した技術を、セキュリティー分野にも応用したいと考えています。例えば、この技術をカーアクセサリーに採用すれば、駐車している車に他の車が近づいて駐車するのと、人が近づいて覗き込んだりしているのを判別することが可能になります。ただ、犬や猫の動物にも反応してしまうという問題はありますが、人は高さがあるので設置する位置などで回避できると考えています。物には反応せず、人に反応するので、製品的に良いものができるのではないかと期待しています。赤外線を使用したセキュリティー製品は、西日があたると誤検知してしまいますが、この技術では西日にあたっても誤検知はしませんので、環境にあまり左右されないという特徴ももっています。 また、ドライバーの居眠り感知にも応用できると考え、研究開発を進めています。眠気は、心拍と呼吸がポイントになっていて、交感神経と副交感神経の交差点が一番眠くなるとされています。当社は、ドップラセンサによりこの交差点部分を見つけ出すことができましたので、次にドライバーへ警告を与えるための研究を行っています。ただ、一つ問題があり、この交差点部分から眠りに入るまでの時間に個人差があるということです。ドライバー自身には、光と音で知らせるように考えていますが、どのタイミングで知らせるかが今後の研究課題になっています。 それから、物流関連においてRFIDに関する事業展開も検討しています。RFIDといっても色々とありますが、感知アンテナに特化した内容で研究開発を進めています。今まで13.56MHz のHF 帯は、非常に近接的なものにしか対応できませんでしたが、それを現状では70cmぐらいまで広げ、感知するスピードも従来より速くすることができました。また、読み取るものに対して必ず水平にしなければ読み取れなかったものを、垂直や斜めなど、どんな状態からも読み取ることができる無指向性タイプのものをつくり出しました。また、製品自体も平面の基板状でつくることに成功し、今までのようなアーチ型のゲートの中を通して感知させていたものが、1 枚の衝立を立てておけばその横を通るだけですべて感知できるようなところまできています。早ければ、今年の秋ごろには製品の販売を行いたいと考えています。 このように、新しい事業や研究開発を色々と進めていますが、まだまだやりたい案件が多いので、整理していくのも今後の課題の一つになっています。本日はお忙しい中ありがとうございました。図1 Wガードシステムのしくみ図2 選択肢が豊富な(警報)メール受信/発報メディア写真2 お元気センサーシリーズ写真3 お元気センサー端末セット LS-101 SETLS-101:BluetoothLS-102:ZigBeeLS-103:920M 特定小電力無線LS-104:USB ケーブルLS-105:接点信号LS-106:Wifi