ブックタイトルメカトロニクス8月号2013年

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概要

メカトロニクス8月号2013年

MECHATRONICS 2013.8 11所 在 地:U R L:事業内容:東京都昭島市http://www.hisawagiken.co.jp/大電流、高温、真空、回転、耐腐食性など特殊環境で使用可能なコネクタ、電気接続部品の製造/販売、など。株式会社ヒサワ技研・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・たが、実用化に至ったケースがないという状況でした。私も実際に研究開発をやってみて分かったことですが、どうしても最初は回転寿命が短いなど、なかなか思うようにいきませんでした。問題としては、撓み量やつぶし量、素材や素材の肉厚、表面処理などがポイントになっていて、それらをクリアすることで実用化にこぎ着けました(写真2)。そのいくつかのポイントの部分で特許を出願しており、その部分が当社の特徴にもなっています。 今、ご説明したのは1極の製品になりますが、例えば絶縁物を挟んで同じ構造を繰り返すことによって、多極のニーズにも対応することが可能です。また、今回採用した遊星運動式は、接触の安定性を示すノイズの量、大電流、環境負荷、回転寿命、特殊環境などに優れており、状来の摺動式や水銀式と比べても優位性があります。特に、真空/高温/激しい振動/水中などの特殊環境といわれる用途に対応できることが、一番の強みになっています。 御社のコア技術を活かした製品につい てお聞かせ下さい沢田:まずは、水銀を使用しない1 極のロータリコネクタを応用した『多極ロータリコネクタ』の紹介からさせて頂きます(写真3)。この写真の製品は20A4 極タイプで、4 本のリード線はそれぞれ同軸上に並んだ4個のリングと電気接続されており、リード線は無制限に回転可能です。1極の製品と同様にRoHS 指令に対応し、接触抵抗が低く、低ノイズ/低回転トルクで、長寿命を実現しています。従来の摺動/水銀式では対応できなかった、真空/高温環境といった特殊環境に対応し、極数、電流、電圧などは使用環境にあわせて設計/製作します。主な仕様としては、許容電流:30A、接触抵抗:10mΩ以下、回転方向:CW-CCW 両方向、許容回転数:500rpm、使用温度範囲:90 ℃以下(耐熱使用も可)、などになっています。 また当社の製品は、特注対応のものがある程度主力となっていますが、今まで水銀式を使用していたユーザー向けに対応する標準品も用意しています。 それが、『耐腐食ロータリコネクタ』という製品になります(写真4)。この製品は、フープめっき装置など腐食雰囲気中で使用できるものです。電流容量に合わせ、10 / 50 / 100 / 200A の4タイプを用意しており、200A 以上のニーズに対しても特注扱いで製作することが可能です。特徴としては、大電流を小型に通電可能、低ノイズ、メンテナンスフリーで長寿命、などが挙げられます。素材は、ロータリボディ/ベアリングホルダにSUS304、回転軸/固定軸に銅合金+Agめっき、Vリングにフッ素樹脂を使用しています。主な仕様としては、回転方向:CW-CCW 両方向、許容回転速度:500rpm、使用温度範囲:120℃以下、などになっています。 さらに、特注対応の製品についてもいくつか実績を紹介させて頂きます。 『特殊同軸コネクタ』は、電気部品を取り扱っている商社の依頼で設計/開発した製品です(写真5)。この製品は、真空チャンバ内に電流を導入するフィードスルーコネクタに嵌合可能な真空仕様の同軸コネクタになります。アウトガスの少ない素材で構成され、嵌合相手に合わせて設計/開発します。現在は量産にまで至っています。 『低挿入コンタクト』は、「挿抜力の小さいコンタクト」をコネクタメーカーと共同開発した製品です(写真6)。従来製品の1/2程度の挿入力で嵌合が可能になります。50ピンなど多数のコンタクトが装着されたハウジングを手で装着するには大きな力が必要であり、困難な作業でしたが、ソケットにコンタクトバンドと呼ばれる通電用の板ばねを装着することで、高い通電能力と低挿入力を実現しています。このコンタクトバンドの設計力が、当社のノウハウになっています。 そして、「Kタイプ熱電対と同じ材質のソケットコンタクトが作りたい。また、ソケットコンタクトは絶縁物に着脱可能な構造にしたい。」というニーズを受けて、『熱電対ソケット』を開発しています(写真7)。この製品は、量産が前提になっていたため、一部に金型を使用してコストを下げることを提案しました。その結果、現在量産にまで至っています。 このように、電気接続にまつわる「困った」、「こんな製品はできない?」といったユーザーが抱える問題に対して、当社の提案力や技術力で解決のお手伝いをさせて頂いています。 今後の展開についてお聞かせ下さい沢田:現状、電気接続部品に関する様々な開発依頼を受けて事業展開していますが、その中で「20,000rpmの高速回転で使用できる製品を開発できないか。」という依頼を数社から受けています。今のところ、そのような製品は世に中に出てきておらず、また従来の方式では実現するのは難しいとされています。しかし、当社の水銀を使用しない新方式では実現できる可能性が出てきており、1 次試験でもある程度の評価を得ているので、今後もこの研究開発に力を入れていきます。 また、社員についても現状は私一人ですが、やはり一人ですと限界もある程度見えているので、増員を行う方向で進めています。研究開発は引き続き私が担当しますので、まずは営業などを任せられる人材を募集したいと考えています。営業力が付くことで、国内だけでなく海外での事業展開にも繋げていけますし、ゆくゆくは販売だけでなく海外での生産拠点を見つけるところにも繋げていきたいと考えています。 それから、航空/宇宙分野にも非常に興味をもっているので、新たに事業を展開できればと考えています。人工衛星のパネルなどにも回転コネクタの需要はあり、現状では摺動式の製品を使用しているようですが、色々な論文を読んでみると問題も出ているようです。一度、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)にもプレゼンテーションさせていただく機会があったのですが、実際に製品を使用するのは人工衛星などを開発する企業になるので、この件に関しては少し長い目で見ています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真3 多極ロータリコネクタ(20A4極タイプ) 写真5 特殊同軸コネクタ写真7 熱電対ソケット写真2 水銀不使用のロータリコネクタ写真4 耐腐食ロータリコネクタ写真6 低挿入コンタクト