ブックタイトルメカトロニクス6月号2013年

ページ
56/60

このページは メカトロニクス6月号2013年 の電子ブックに掲載されている56ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

メカトロニクス6月号2013年

56 MECHATRONICS 2013.6 FPD(フラットパネルディスプレイ)の開発・製造に必要な製造装置、部品・材料から、タッチパネル、有機ELといった最新ディスプレイまで、業界の最新技術が一堂に出展する専門技術展第23 回 ファインテック ジャパンが、東京ビッグサイトで開催された。 同展示会と併せて『第4 回 高機能フィルム展 フィルムテック ジャパン』『第2 回 高機能プラスチック展 プラスチックジャパン』『Photonix2013~第13回 光・レーザー総合技術展』も開催され、3日間の来場者は合わせて49,128名に及んだ。■ぎらつかない、きずつかない、 ぼやけないタッチパネル ぺんてる(株)では、静電容量タッチパネル『フラットプラス+』を紹介していた。 このパネルは3つのアンチ、すなわち、アンチグレア(ぎらつかない)、アンチスクラッチ(傷つかない)、アンチプラー(ぼやけない)を実現したもの。 まず、特殊高精細パターンでぎらつきの原因となる液晶のドットピッチとAGハードコートとの干渉を抑制し、映像本来の美しさを保つことを実現している(アンチグレア)他、凹凸を極限まで少なくした表面構造でパネル表面への外光を乱反射させることで突起部のない滑らかなAGハードコートにし、??や指輪、コイン、工具類などが接触した場合でも傷つきにくい耐性をもつ(アンチスクラッチ)。また、AG本来の反射防止に加え、透過画像鮮明度が73.0 %と高いため、タッチパネルを透過して見た液晶画像がぼやけない(アンチプラー)、などの特徴を有する。加えて、電気的耐久性も2億回を達成している、という。■生産に近い研究環境を実現する装置 (株)西部技研では、低露点空気グローブボックス『Desi-Cube』を、実機デモを交えて紹介していた。 同社では、空気中から水分/二酸化炭素を除去し、低露点、ならびに低CO2 濃度環境を作り出す技術を有しており、この技術を活用した低露点コンパクトドライルームを展開しているが、『Desi-Cube』はその特徴を活かしたグローブボックス。 従来の真空置換型グローブボックスは、ボックス内を真空排気してからガス置換し、低酸素/低湿度環境を作り出していたが、同製品は、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを使用せず、除湿ロータを活用したデシカント除湿機で水分濃度1ppmV(露点温度-76 ℃ DP)の環境を作り出す方式を採用。酸素を含んだ環境となり生産に近い研究が可能である他、量産化にかかるコストについても従来より大幅に抑制することができることなどが特徴である。■各種フィルタの開発品を展示 旭化成せんい(株)では、新製品の他、様々なフィルタなどの開発品を紹介していた。 開発品のコーナーでは、高粘度流体処理、微細粒子分級に対応した孔径均一性にすぐれたポリケトン膜メンブレンフィルタ『KPK』タイプ、ポリエステルナノファイバで構成されたフィルタで、高い均一性を有し、従来品のポリエステル不織布フィルタ退避で低圧損を実現するポリエステルナノファイバ抄造不織布フィルタ『KEF』タイプ、高緻密加工PP ナノファイバ不織布フィルタ『KPH』タイプ、などを展示し、多くの人が熱心に説明に聞き入っていた。■新発想の材料表面機械特性試験 (株)パルメソでは、薄膜などの材料最表面強さをGDOESのように表面から深さ方向に計測・評価する、微粒子エロージョン試験機『ナノMSEテスター』、並びにMSE 試験法を紹介していた(福井大学との産学共同)。 MSE(マイクロ スラリージェット エロージョン)試験法は、10μm 以下の薄膜や改質/変質の機械特性を表面から基材まで連続して測るニーズに応えた新しい原理の試験法。微粒子入りスラリを高速衝突させ、ナノサイズのエロージョンを発生させ、エロージョン深さの進行度合い(エロージョン速度)を可視化することで材料の強さや膜厚などを評価する方法。 また、このエロージョン試験を行える『ナノMSEテスター』は、①3μm以下の微粒子投射でナノサイズのエロージョン進行、②精密プロファイル計測でエロージョン痕の深さを特定、③ エロージョン進行度を深さ方向に連続測定、④エロージョン進行度から強さ度合いを可視化、などの特徴を有する。試験対象事例は、DLCやTiNなどの硬質薄膜、塗装やカラーフィルタなどの軟質薄膜、工具や光学レンズなどの多層膜、焼き入れやめっきなどの各種表面処理、などがある。■幅広い採用実績をもつ ニューロ視覚センサ (株)テクノスでは、要望する検出精度に合わせてスペックを選択することができるオンライン自動外観検査システムである、ニューロ視覚センサ 『スーパー5000K』の『7Kモデル』を紹介していた。 同製品は、従来のCCDカメラ(4000 画素)の1000倍の精度で高コントラストな微細欠陥を検出し、目視の100倍の精度で色むらなどの低コントラスト欠陥を検出可能。フルハイビジョンカメラ88台分の精度に相当し、4000倍の精度を有する。また、被写界深度も従来システムの6600/6000 倍で、既存の生産/検査ラインにきわめて容易に設置できる他、システムの構成、構造がシンプルなため、設置並びにメンテナンスが容易。検出結果の出力は欠陥の位置を地図表示するとともにNG信号をリアルタイムに出力できる。採用の実績もFPD、フィルム、鋼板、半導体関連、精密部品、電子部品、太陽電池、燃料電池、円筒形状物、自動車、石油備蓄タンクなどの巨大なもの、ガラス/アクリルその他、と幅広い。■安全、安心な洗浄剤 ヤマ プランニングでは、安衛法/有機則/PRTR 非該当で、シンナーのように溶解力のあるバイオエタノール洗浄剤『イレイザ』シリーズを紹介していた。 同製品の特徴は、①有機溶剤に関する法に抵触しないので、人件費、管理費、設備費などの負担がほとんどない、②『イレイザクリーン』は揮発性がアルコールでありながら低いため、液損があまりないので経済的で、加熱洗浄もあまり必要としない、③使用済みの液はボイラの燃料に利用でき、このためゼロエミッションも達成できる、④産廃費がかからない、などが挙げられる。同シリーズには、金属、ガラス、ウエハなどの前洗いに使用する『イレイザクリーン』と、『イレイザクリーン』で洗った後のすすぎとして使う『イレイザリンス』、リンスですすいだ後の乾燥を早めるのに使用する『イレイザ365』が揃う。 同展示会の次回開催は、2014 年4 月16日(水)~4 月18日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される予定となっている。第23回 ファインテック ジャパン2013年4月10日(水)~4月12日(金)東京ビッグサイトリード エグジビション ジャパン(株)■ 会 期■ 会 場■ 主 催ぺんてる(株)のブース(株)パルメソのブースイレイザクリーン(株)テクノスのブース旭化成せんい(株)のブース低露点空気グローブボックス『Desi-Cube』(上)と、除湿ロータ(下)