メカトロニクス4月号2013年

メカトロニクス4月号2013年 page 56/60

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56 MECHATRONICS 2013.4 2013 年1 月30日(水)~2 月1日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて、ナノ材料/素材、ナノ評価/計測技術、装置、ナノ加工技術/装置など、各応用分野に対応した最新技術・製品を一....

56 MECHATRONICS 2013.4 2013 年1 月30日(水)~2 月1日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて、ナノ材料/素材、ナノ評価/計測技術、装置、ナノ加工技術/装置など、各応用分野に対応した最新技術・製品を一堂に集めた『nanotech 2012』が、nano tech 実行委員会の主催で行われた。併せて、『InterApua2013 第4 回国際水ソリューション総合展』『ASTEC2013 第8 回 先端表面技術展・会議』『SURTECH2013 表面要素技術展』『Convertech Japan 2013』『先端印刷技術展2013』『新機能性材料展2013』『PrintableElectronics 2013』『試作・受託加工展2013』『NeoCeramics 2013』『enex2013』『Smart EnergyJapan 2013』も同時開催され、期間中の来場者は46,846名に及んだ。■身近な熱で電気を作る フレキシブル熱電材料 (独)産業技術総合研究所(AIST)では、『ナノテクがひらく未来のエネルギー』というメインテーマをすえ、一般展示コーナーとして『省エネ製造』『省エネ部材』『光エネ変換』の、また震災復興関連展示コーナーとして『ナノテク除染』の各カテゴリで、それぞれの研究成果をプレゼンテーションを交えて紹介していた。  なかでも特に注目を集めていた研究成果は、『身近な熱で電気を作るフレキシブル熱電材料』だった。未利用熱全体の40%以上と試算されている、150℃以下の未利用熱。この未利用熱を無駄なく活用することは、クリーンなエネルギー源が求められている現在における一つの目標となっており、この一方法としては、フレキシビリティがあり、大面積化が容易な、有機材料での熱電発電が期待されている。そして本研究により、導電性高分子PEDOT:PSSのナノ結晶の配列化によって、870S/cmという高い導電率を達成し、この導電性の向上により熱電変換性能の向上に成功した。本研究のポイントは、『柔軟性をもつ導電性高分子薄膜の高い熱電性能の実証』と、『ナノ結晶化により高い導電性を達成し熱電性能を向上する』ことの2点である。この成果は、小型GPS用などの電源や、住宅などの排熱による家庭用の小型機器の電源としての応用が期されるとしている。■独自の真空電子染色法で 理想的な電子染色を実施 フィルジェン(株)では、真空電子染色装置を紹介していた。 高分子を電子顕微鏡で観察するためのコントラスト(電子線の透過度合い)をつけるために行われる電子染色であるが、大気中で行うためドラフト内で行う必要があり、安全面が危惧される他、染色を終了したつもりでも試料内部の染色剤がなかなか抜け切らず過染色が起こり、脱落やひび割れてしまうことなどがあった。 同製品は、真空チャンバ内に試料を設置し、四酸化オスミウムや四酸化ルテニウムガスを真空チャンバ内に導入することにより染色を行う独自の真空染色法を採用。これにより、TEM / SEM試料の電子染色を安全に、かつ再現性よく行うことができる装置となっている。■独自の工法を採用した ナノパウダー製造装置 (株)ジェネライツでは、ナノ粒子製造装置を紹介しており、ブース内にNPP製造装置『NPP3012』(12kg/バッチタイプ)を展示していた。この装置はNPP(Nano Particle on Powder)工法を採用したものとなっている。 同工法は独自の微細粒子製造技術で、物理的製造法や化学的製造法などと比較し、分散性、純度、ナノ効果、保管性、量産性、コストといった点ですぐれ、ナノ粒子径は1 ~10nm(パウダー、液体)。粒子濃度は<2,000ppmで、使用母材もパウダーは全て可、液体は油/水、となっている他、特徴として、①物理的成膜法が使用可能(スパッタ法、真空蒸着法など)、②ターゲット材料を選ばない(金属、酸化物、有機化合物など)、③ナノ金属形成の環境は酸素、窒素 雰囲気、④ナノ粒子の大きさ、濃度を制御可能(成膜速度、母材撹拌速度(回転数))、といった点が挙げられる。 この技術により、不純物のない微粒子化を実現し、従来必要としていた化学系バインダなしに、母材に直接ナノ粒子を付着形成する。高純度であるため食品にも使用でき、また均一なサイズ並びに活性剤を必要としないなどの高品質な点、高い歩留まりと簡便な製造方法といった高い生産性から、多くの来場者の注目を集めていた。■豊富な実績と高度な技術で 要望に応える NTTアドバンステクノロジ(株)では、ナノインプリント用モールドを紹介していた。 同社では豊富なモールド製作実績と高度なパターン形成技術を有している。初期検討に最適で短納期、低価格を実現するカタログ製品(L&S、ホール、ドット)の他、材料やパタン種選択、寸法水準など、仕様の指定が可能なセミカスタムモールド、さらに、用途に合わせた3D 形状(モスアイ、マイクロレンズアレイ、マルチレベルなど)、極微細パタンなどのオーダーにも対応するなど、幅広い要望に応える。■高い作業性と品質で『カイゼン』に貢献 ライカマイクロシステムズ(株)では、『トータル『カイゼン』ソリューション』というテーマの下で展示を行い、高い品質と使いやすさで作業効率を改善する試料作製装置から、見やすさと高い操作性で作業環境の改善に貢献する顕微鏡システム、並びに画像処理までを行う製品のフルラインナップを紹介していた。 多用なニーズに応える高真空コーティング装置『ライカEM ACE600』は、FE-SEM、及びTEMアプリケーションにおける高分解能解析用に、非常に薄く粒状性のよい導電性の金属及びカーボンのコーティング膜を成膜可能。基本構成としてオイルフリーの高真空排気システム内蔵、水晶膜厚測定ユニット、回転電動ステージを含む。 ターゲット断面試料作製システム『ライカ EM TXP』は、SEM、光学顕微鏡及びTEM 観察用試料に向け切断/研磨専用に開発された装置。微小ターゲットの正確な配置と調製、高性能実態顕微鏡による観察の実施などの特徴を有し、ターゲットを見失うことが多く時間を要しがちだった、試料の特定個所を狙った正確なミリング、切断、研削、研磨作業を、簡単、かつ短時間に調製できる。 特に硬組織形態学と産業分野での使用に適した全自動万能型回転ミクロトーム『ライカ RM2265』はさまざまなタイプの標本から高品質な切片を作るように設計された装置。6通りのカッティングモードの採用や、コンパクトな設計などによって、高い効率性を実現している。 デジタルマイクロスコープ『ライカ DVM2500』は、Leica VZ-lineズームレンズと高速なFireWireデジタルカメラの組み合わせにより、高レベルの画質を実現した製品。Microsoft Windows operating systemsの採用により、企業・施設ごとのネットワークガイドラインに対応した柔軟な利用が可能。人にやさしいLEDイルミネーションや、あらゆるアプリケーションに適応可能なCCDデジタルカメラの採用、などの特徴を有する。 FusionOptics実体顕微鏡『ライカ M205C』は、高解像とすぐれた立体感を両立させる『FusionOptics』を搭載した装置。最大ズーム20.5×で、1×対物レンズの使用により7.8~160 倍、2×対物レンズでは最大320 倍までの観察が行える。 コンタミ/粒度解析システム『Cleanliness Expert』は、製造工程から部品の品質を定量的にモニタするのに役立つ品質保証システム。同社の顕微鏡、デジタルカメラ、画像解析システムを含むトータルソリューションで、コンタミを反射性/非反射性に自動分類し、コンタミの発生源やコンタミから推測できる潜在的リスクの評価に役立つ、などの特徴を有している。 同展示会の次回開催は、2014 年1 月29日(水)~1 月31日(金)、東京ビッグサイトにおいて予定されている。nano tech 2013(第12回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)2013年1月30日(水)~2月1日(金)東京ビッグサイトnano tech 実行委員会■ 会 期■ 会 場■ 主 催産業技術総合研究所のブースライカマイクロシステムズ(株)のブース真空電子染色装置NTT アドバンステクノロジ(株)のブースNPP製造装置『NPP3012』