メカトロニクス4月号2013年

メカトロニクス4月号2013年 page 10/60

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概要:
10 MECHATRONICS 2013.4 御社の概要についてお聞かせ下さい和田:当社は、1977 年10月に神奈川県綾瀬市において有限会社和田製作所という社名で設立し、地元にある大手自動車メーカーの生産設備で使われるFA化機器....

10 MECHATRONICS 2013.4 御社の概要についてお聞かせ下さい和田:当社は、1977 年10月に神奈川県綾瀬市において有限会社和田製作所という社名で設立し、地元にある大手自動車メーカーの生産設備で使われるFA化機器の部品加工を中心に行っていました。その後、組み立てや図面なども多少書くようになり、設計から加工、組み立て、据え付けまで行えるようになっていきました。 1990 年4月には組織変更を行い、社名を現在のダブル技研株式会社に変更しました。事業においても、景気の低迷で自動車分野が主だった展開から新たな分野を模索するようになり、今までは営業をしなくても仕事が入ってきた状態から一転し、営業にも力を入れていかなくてはいけない状況になっていきました。当時は、会社案内のパンフレットすらなく、私がワープロで作成した資料などをもって様々な分野に営業を行っていましたが、なかなか仕事に繋がりませんでした。 そんな中、機械系の専門誌に広告を掲載したのがきっかけで、ある大学の先生から連絡を頂き、その大学で使用する実験/実証機器をつくってもらえないかといった依頼を受けることになりました。今までも、お客様によって一品一様でつくってきましたし、特に新しい技術を取り入れるようなことはなく、当社の培ってきた技術やノウハウを応用することで対応ができました。その後も、大学の先生から色々と紹介などをして頂くことで、少しずつ取り引きも増えてパイプが広がっていくようになり、大学関連を中心とした開発/試作分野に事業を展開するようになりました。 それから、大学に出入りするようになったことで、福祉機器の原型となる試作品に出会えることにもなりました。その試作品は、自動で本のページをめくる機器で、まだまだ製品化にはほど遠いような状態でした。また、福祉関連で使用するためにつくられていたわけではなく、その大学の学生がなにかの研究のために細々とつくっていたものでした。私は、以前ラジオで聞いた「福祉関連で手を使わず本を読めるような製品がなくて困っている」というような内容を思い出し、この試作品を製品にできないだろかと考え、行動に移していきました。当時は、福祉機器に興味があったわけではなく、ものをつくるということに対しての興味や世の中にない製品をつくりたいということから始めたことでしたが、福祉分野への参入のきっかけになったことは確かです。今まで、FAという生産設備関連に携わってきましたが、大学関連の開発/試作分野の仕事を始めたこと FA化機器、大学・研究機関向けの実験/実証機器、福祉機器/システムなどの提案・開発・販売を行うダブル技研株式会社。ロボットをキーワードに、大学/研究機関との連携からオリジナリティー溢れる自社製品を開発する同社の概要と技術、製品などについて、代表取締役 和田 博 氏にお話を伺った。ダブル技研株式会社代表取締役和田 博 氏独自のノウハウと基礎技術/理論を融合したロボット関連製品~大学/研究機関との連携でオリジナル製品を開発~で事業の幅が広がり、自社製品を研究/開発できるようなところまで辿りつきました。 1997 年10月には、『第24回国際福祉機器展』に当社初となる展示会出展を果たし、プロトタイプのページめくり機『りーだぶる』を展示したのですが、予想以上の反響と製品化へのニーズがあり、ますます製品化に向けた動きに拍車が掛かっていきました。また、展示会に来場された福祉関連の専門家や大学の先生などの勧めから、『福祉機器コンテスト1998』に応募し、機器開発部門の最優秀賞を受賞することができました。さらに1999 年10 月には、『'99神奈川工業技術開発大賞』の奨励賞を受賞し、メディアにも取り上げて頂くようになり、当社初めてのオリジナル製品として世に送り出すことができました。 そして2006 年12月に、現在の所在地である神奈川県座間市へ新社屋を建設して移転し、FA化機器関連、大学・研究機関向けの実験/実証機器、『りーだぶる』をはじめとする福祉機器関連という3つの柱で事業展開を進めています。 御社の技術に関してお聞かせ下さい和田:やはり、切削・研磨/溶接/熱処理/特殊加工などの部品加工が元々の技術になると思います。そこから、自動車/電機関連分野におけるお客様の様々なニーズに対応することで、新たな技術やノウハウが少しずつ蓄積され、当社のコア技術となってきました。 最近では、今まで蓄積されたコア技術を活かして、「スマートな閃き」「ユニークな発想」といった開発力や提案力を全面に押し出し、ニッチでも新しい市場が創れ、さらには社会に貢献できるような製品開発を目指しています。また、製品開発だけでは会社が成り立っていかないので、量産化まで行えるような体制づくりにも力を入れていきます。 特に私自身、ロボットにずっと興味を抱いていたので、ロボットを一つのキーワードにして進めていきたいと考えています。当社は元々、FA 関連の産業用ロボットにも携わってきた経緯があるので、生活支援ロボットや介護ロボットなどにもチャレンジしていけると考えています。もちろん、当社だけではビジネス化はほど遠いので、神奈川県などの行政や今まで取り引きさせて頂いた大学/研究機関などにも情報を頂いて、いくつかのプロジェクトにも参画しています。 大学/研究機関のもつ基礎技術や理論と、当社の蓄積されたノウハウを融合することで、新しい製品をつくり上げていきたいと考えています。 御社の蓄積されたノウハウを活かした 製品についてお聞かせ下さい和田:まずは、当社初のオリジナル製品となった自動ページめくり機の後継機『りーだぶる3』をご紹介します(写真1、2)。この製品は、文庫本からA4サイズまで対応でき、どんな姿勢でも自由に本を読むことができます。主な仕様は、外形寸法:W530×H590×D157mm(最大動作時は、W654×H590×写真1 自動ページめくり機『りーだぶる3』写真2 アシスタンドを取り付けた状態