メカトロニクス1月号2013年

メカトロニクス1月号2013年 page 50/60

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概要:
50 MECHATRONICS 2013.1日本産業洗浄協議会専務理事 相模環境リサーチセンター 所長 小田切 力改訂版「環境報告ガイドライン(2012 年版)」~環境配慮経営のあり方~【第130回】環境省は、2012年6月に従来の「環....

50 MECHATRONICS 2013.1日本産業洗浄協議会専務理事 相模環境リサーチセンター 所長 小田切 力改訂版「環境報告ガイドライン(2012 年版)」~環境配慮経営のあり方~【第130回】環境省は、2012年6月に従来の「環境報告ガイドライン」を見直した改訂版を公表した。 従来の同書は、2007年に公表された第3回目の「環境報告ガイドライン(2007年版)」であり、2011年11月から「環境報告ガイドライン等改訂に関する検討委員会」を設置して検討を行ってきたが、その議論及びパブリック・コメントの結果を踏まえて4回目の改訂版として、「環境報告ガイドライン(2012年版)」を2012年4月26日に公表したものである1,2)。 今回は、その「環境報告ガイドライン(2012 年版)」(EnvironmentalReporting Guidelines(2012))について概要を紹介する。注1)表紙と裏表紙の絵画は社会福祉法人日本肢体不自由児協会主催「肢体不自由児・者の美術展」の入賞作品より掲載■“環境報告”について(1)その目的 同ガイドラインは、事業者が環境を利用するものとしての社会に対する説明責任を果たし、かつ環境報告が有用となるための指針として準備された。環境報告を実施する事業者の環境配慮行動を正しく理解するための手引きとして役立つことによって、環境と経済が好循環する持続可能な社会の実現に貢献することを目的とするとされている。 環境報告ガイドラインが目的とするそもそもの“環境報告”についての定義は、同書では; “環境報告とは、事業者が事業活動に関わる環境情報により、自らの事業活動に伴う環境負荷及び環境配慮等の取組状況について公に公表するものです。”と記している。 また、一般財団法人環境情報センターのURL“EICネット”3)では; “企業等が環境に配慮して行った内容を環境業績としてまとめ公表する報告書のこと。ISO14001を取得した企業を中心に環境報告書を作成するようになってきた。その目的は、環境コミュニケーションを積極的に図ろうとするものとみなせる。自主的環境保全を講じたことを他者に認めてもらうためには、環境報告書として公表することが不可欠となる。また、こうした自主的取り組みが客観性を持つことを証明することを目的に、公表前に監査法人やNGOにチェックを受ける企業も出てきている。”と記している。(2)環境報告書の名称 環境報告は、「環境報告書」(EnvironmentalReport)の名称以外にも、社会や経済分野まで記載した「サステナビリティ(持続可能性)報告書」(Sustainability Report)や「環境・社会報告書」(Environmental and Social Report)、企業の社会的責任(CSR)に基づく取組の成果を公表する「CSR 報告書」(Corporate Social ResponsibilityReport)、「RC報告書」(Responsible Care Report)等、その内容や作成趣旨によりさまざまな公表形式において実施されている。そのため、名称の如何を問わず環境報告が実施されている報告書であれば「環境報告書」とみなされる4)。(3)環境報告の公表媒体 環境報告の公表媒体には、冊子・印刷物、ウェブ(PDF、HTML、電子ブック等)等がある。形式・媒体は何であれ、その内容が本ガイドラインの定義に合致し、事業者が自らの事業活動に伴う環境負荷の状況及び事業活動における環境配慮等の取組状況を総合的に取りまとめ、公表するものであれば、環境報告となるとされている。■「環境報告ガイドライン(2012年版)」(1)過去の経緯 環境省は「環境報告書ガイドライン」の最初の版を(2000年版)として2001年2月に公表。その後、改訂版として2004年3月に(2003年版)、2007年6月に(2007年版)、さらに今回(2012年版)を2012年6月に発表している。 2007年版は、環境配慮促進法の制定注2)や第三次環境基本計画の策定という国内の動き、GRIガイドラインなど国際的な動き、また国内外における企業の社会的責任(CSR)に対する関心の高まりなどが背景にある。また、同書では、環境報告書発行の促進に加えて、環境報告書の活用推進のための指針を示した。注2)環境配慮促進法:(正式名称:「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」)2004年6 月に制定、事業活動による環境保全についての配慮が適切になされることを確保するため、環境報告書の作成及び公表を求めるもの。 今回の改訂では、既に環境報告を実施している事業者にとって、更に質の向上につながるようにすること、未だ実施していない事業者にとっては、新たな実施につながるようにすること等をめざして、・環境報告の基本指針を記載するなどの定義の明確化・国際的な検討やワークフレームを参考にした環境 報告の一般原則の見直し・環境配慮経営の定義や方向性を明確にし、かつ環 境マネジメント等の環境配慮経営に関する記述情 報の大幅な追加。 などをポイントに改訂している3)。(2)目次構成 「環境報告ガイドライン(2012年版)」は全体で参考資料も含めて159ページの量である。その内容を目次で以下に紹介する。はじめに序章 1. 環境報告の位置付け 2. 環境報告ガイドラインの改訂にあたって 3. これから環境報告を始める事業者の方へ第1部 環境報告の考え方・基本指針第1章 環境報告の考え方 1. 環境報告とは何か 2. 環境報告と環境配慮経営 3. ステークホルダーと環境報告第2章 環境報告の基本指針 1. 環境報告の一般原則 2. 環境報告の重要な視点 3. 環境報告を実施する上での基本事項第3章 環境報告の記載枠組み第2部 環境報告の記載事項第4章 環境報告の基本的事項 1. 報告にあたっての基本的要件 2. 経営責任者の緒言 3. 環境報告の概要 4. マテリアルバランス第5章 「環境マネジメント等の環境配慮経営に関する状況」を表す情報・指標 1. 環境配慮の方針、ビジョン及び事業戦略等 2. 体制及びガバナンスの状況 3. ステークホルダーへの対応の状況 4. バリューチェーンにおける環境配慮等の取組状況第6章 「事業活動に伴う環境負荷及び環境配慮等の取組に関する状況」を表す情報・指標 1. 資源・エネルギーの投入状況 2. 資源等の循環的利用の状況(事業エリア内) 3. 生産物・環境負荷の産出・排出等の状況 4. 生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用の状況第7章 「環境配慮経営の経済・社会的側面に関する状況」を表す情報・指標 1. 環境配慮経営の経済的側面に関する状況 2. 環境配慮経営の社会的側面に関する状況第8章 その他の記載事項 1. 後発事象等 2. 環境情報の第三者審査等・「環境報告書の記載事項等に関する告示」と本ガ イドラインとの比較・本ガイドラインと「環境報告ガイドライン(2007 年版)」との比較【参考資料】1. 検討委員会名簿2. 用語解説3. 記載事項一覧表4. 環境効率指標例5. 指標の一般的な計算例6. 個別の環境課題に関する財務影響等(例示)7. 社会的側面の状況に関する情報・指標(詳細)8. 環境配慮経営の評価チェックシート(例示)■本ガイドブックの趣旨 本ガイドブック編集の趣旨は“はじめに”に記されているので、その一部を以下に紹介する。 “世界的な人口増加や新興国を中心とした経済成長によって、消費と生産の規模は拡大する傾向にあり、それに伴う資源・エネルギー消費や環境負荷の増加は現代社会にとって大きな課題になっています。また、金融市場のグローバル化と国際貿易の進展が地球規模で地域間の複雑な相互依存関係を作り出しているために、この課題への対応には国際的な連携や協調体制の確立が不可避な状況になっています。 また世界規模で広がる環境課題は、貧困などの社会的な課題とも密接に係わっていることがあります。そのため、これらの課題の解決には、環境・経済・社会の3つの側面に配慮することが必要です。地球環境との<写真1>「環境報告ガイドライン(2012年版)」の表紙1)注1)