メカトロニクス9月号2012年

メカトロニクス9月号2012年 page 12/60

電子ブックを開く

このページは メカトロニクス9月号2012年 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
12 MECHATRONICS 2012.9 御社の概要についてお聞かせ下さい大石:当社は、“ 土と水を守る”ということを経営理念に掲げ、主に土壌の物理性測定機器などを製造しており、環境保全/改善に役立つ様々な試験/研究に....

12 MECHATRONICS 2012.9 御社の概要についてお聞かせ下さい大石:当社は、“ 土と水を守る”ということを経営理念に掲げ、主に土壌の物理性測定機器などを製造しており、環境保全/改善に役立つ様々な試験/研究に利用して頂くことで、社会に貢献しています。取り扱い製品としては、土壌物理性測定機器が約110 機種、土壌/地下水環境調査機器が35 機種、特殊試験装置が20 機種の合計165機種ほどをラインアップしています。その中で、自社製造製品は115機種ほどになり、その製品のほとんどが受注生産という少量多品種体制になっています。 当社は、1941 年3月に昭光理化製作所という社名で東京都の御徒町で創業しました。その後、第二次世界大戦が始まり工場も空襲で焼けてしまいましたが、埼玉県狭山市や東京都台東区と工場を移転しながら、戦後は理化学関連製品の修理を手掛け、文部省(現在の文部科学省)の修理工場の認定を受けました。 1950年には、農林省(現在の農林水産省)が試験研究機関の機構改革を実施し、農業技術研究所内に「土壌物理研究室」を設置しました。そこで、日本の土壌物理研究を行う研究者が使用する機械の開発を、当社が受けることになり、2 年後の1952 年に、当社オリジナル製品の1号機となる土壌団粒分析器を完成させまし 農業用の土壌物理性測定器を中心に事業展開を進める大起理化工業株式会社。最近では、土壌物理性測定機器のデジタル化を進めることで、環境分野を中心に幅広い分野に事業展開する同社の概要と製品などについて、常務取締役 大石 正行 氏にお話しを伺った。大起理化工業株式会社常務取締役大 石 正 行 氏土壌物理性測定機器の応用で環境保全/改善に貢献~幅広い分野のニーズに対応した製品群をラインアップ~た。同年6 月に、社名も大起理化工業に変更し、その後も研究開発を進めながら新しい製品を開発しては、国内の土壌物理研究を行う研究者の方々に広め、少しずつ製品を増やしながら現在の形態をつくっていきました。 1958 年5 月に、現在の大起理化工業株式会社を設立し、東京都荒川区に移転しました。1995 年5月には、オランダで当社と同じような業種を展開しているEijkelkamp 社と日本総代理店契約を締結し、自社製品だけでなく海外からの輸入製品の取り扱いも開始することになりました。先程お話しした、当社取り扱い製品の自社製造製品以外は、海外からの輸入製品などになります。2002 年10 月には、東京だけでなく西日本にも営業拠点を設けることになり、西日本営業所を滋賀県大津市に開設しました。それから、東京都荒川区にあった社屋も手狭になってきたことと、老朽化が進んでいたため、2004年5月に現在の所在地である埼玉県鴻巣市の川里工業団地に本社/工場を移転してきました。 移転後は、2008年3月に「埼玉県経営革新企業」として承認され、それと同時に埼玉県の開発補助事業にも応募して採択されました。「埼玉県経営革新企業」には2度承認され、埼玉県の開発補助事業には3年連続で採択され、その補助金で開発した製品が2011 年1月に埼玉県「平成22 年度彩の国産業技術大賞」の特別賞を受賞しています。また今年は、「埼玉県経営革新モデル企業」にも認定され、さらに経済産業省の「震災復興技術イノベーション創出実証研究事業」にも地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターと共同で行うなど、研究開発型企業として様々な取り組みを進めています。 事業の変遷としては、農業用の土壌物理性測定機器を中心に進めていましたが、「土壌汚染対策法」という法律ができたことにより、大気、水に続いて土壌汚染にも関心が高まってきたため、農業用に使用されていた土壌物理性測定機器の高度化を図り、環境用途に応用するようになってきました。今までは、土壌物理性測定機器が事業の柱となっていましたが、最近では環境調査用機器の拡充を図ることで売り上げを伸ばしていこうと考えており、さらに新分野への進出も含め、3 本の柱で展開しています。 貴社の技術に関してと 環境用途に応用される製品を いくつかご紹介下さい大石:当社は、世にある技術を応用しながら製品開発を行っており、取引先の中心となる大学や研究所からのニーズにより、そこで研究したいものにマッチした製品開発を進めるために、新しい技術を導入していきます。それが当社のノウハウになり、そういったことの繰り返しにより技術レベルの向上を図っています。 最近では、土壌物理性測定器の高度化を図る取り組みで、採取した土のデータを従来のアナログからデジタル化へ移行することにより、コンピュータで処理できるように進めていますが、そのデータをデジタルにするだけでなく、どこで採取した土のデータなのか地図上でマッピングするGISソフトウエア『DIK-0500(DAIKI Location Manager)』を開発しました(写真1)。この製品は、デジタル地図上に測定地点をアイコンで表示し、地図からもデータを呼び出すことができます。どなたでも簡単にお使いいただけるよう、操作メニューはすべて日本語で設計しており、当社のデジタ写真1 GISソフトウエア『DIK-0500(DAIKI Location Manager)』のメイン画面写真2 デジタル実容積測定装置『DIK-1150』