メカトロニクス8月号2012年

メカトロニクス8月号2012年 page 11/60

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MECHATRONICS 2012.8 11所 在 地:U R L:事業内容:東京都北区http://www.jnovel.co.jp/ソフトウエア開発、システム開発、システム製品の販売、各種サービスの提供、など。日本ノーベル株式会社・・・・・・・・・....

MECHATRONICS 2012.8 11所 在 地:U R L:事業内容:東京都北区http://www.jnovel.co.jp/ソフトウエア開発、システム開発、システム製品の販売、各種サービスの提供、など。日本ノーベル株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・の角を基準にした絶対的な位置出しが可能になります(写真3)。さらに押し圧の測定が可能で、リアルタイムの圧力値も表示するといった特徴をもっています。 最近では、スマートフォンなどのデバイスがコンシューマの注目を集めており、これらのデバイスが静電容量式のタッチパネルを採用していることから、このタッチパネルリニアリティ評価システムについての問い合わせが多くなっています。 それから、『Quality Commander』のテスト自動化技術を継承し、Androidアプリを簡単に自動テストできるAndroidアプリケーション自動テストツール『QCWing for Android / Quality Commanderfor Android』という製品もあります(写真4)。この製品は、USBで接続したAndroid端末を外部制御することで、Androidアプリケーションの自動テストを行います。端末のスクリーンキャプチャと、期待値画像を比較判定でき、テスト結果の確認にかかる時間を短縮できます。1台のシステムで複数端末の操作が行え、同種の端末を一斉に操作できるほか、種類の異なる端末を順次自動操作することも可能です。この機能を使用して、「発信→着信」などの対向試験も行えます。また、タッチパネル操作やキー操作の内容は、擬似画面からマウス操作で入力でき、タッチパネルのドラッグ操作もマウスで簡単に座標の入力が行えます。使用頻度の高い画像取得や比較判定コマンドは、ボタン1つで入力可能です。さらに、Android 端末から取得したスクリーンショット画像と期待値画像を比較することで、テスト結果を自動で判定します。判定結果は実行レポートと共に一覧表示され、レポートデータはHTMLで出力されるので、簡単に情報共有やデータを流用できます。2012 年4月現在、Android の対応バージョンは2.3ですが、今後3.x、4.xにも対応予定です。 あとは、非常にニッチなものになるのですが、コンパイラ評価サービスという世界でも当社ぐらいしか提供していないサービスを行っています(写真5)。コンパイラは、人間が書いたソースを機械語に翻訳するツールで、コンパイラのテストには膨大な組み合わせを網羅したテストケースを必要とし、それこそ天文学的な組み合わせ数となります。当社のコンパイラ評価サービスは、コンパイラの不具合解析に精通したスペシャリスト/高速なテスト環境/世界最大規模のコンパイラテストシステムを用いて、お客様に代わってコンパイラの不具合を解析し、不具合が確認できるソースコードをピンポイントで提供するサービスです。 日本の半導体メーカーやコンパイラメーカーなどでは、自社で言語に準拠した診断ツールや独自のテストプログラムを作っていますが、それでも最後に当社の評価サービスを利用して品質の確認をされています。また車載機器メーカーでは、機能安全規格ISO26262 対策として利用されています。機能安全は、ハードウエアには元々あった規格でしたが、ソフトウエアの増加などにより派生した規格が出てきており、自動車/医療/航空/鉄道/電力などの分野が対象になっています。その中でも自動車が先行しており、機能安全規格ISO26262が策定されたことで、コンパイラを始めとする開発ツールなどの安全性の説明責任をユーザー自身が負うようになり、これに対応するために当社のコンパイラ評価サービスを利用するケースが増えています。 今回ご紹介いただいた自動テストツー ル関する技術などについてお聞かせ下 さい東:先程ご紹介した自動テストツールは、画像処理技術やロボット制御というものを、一つのテストシステムとしてパッケージングすることがポイントになっています。画像処理技術だけが得意な会社や、ロボット制御だけが得意な会社はいくつもあると思いますが、これらをトータルでシステム化し、使用する現場にマッチした使い勝手のよい製品にする技術は、また別のノウハウが必要になってきます。 当社の画像処理技術は、人間に近い判定を下すという特徴をもっており、それにティーチングペンダントなどのコントローラを使用しないロボット制御を追従させています。また、10 年以上この分野に携わってきた経験とノウハウにより、お客様の使用環境を理解することでシステム化するだけでなく、ユーザーインタフェースにしても使いやすさを追求したご提案をできることが強みになっています。 それから、コンパイラ評価サービスに関しては、お客様のコンパイラで不具合が発見された場合、実際にどこが問題なのかということをある程度絞り込む必要があります。私共の事業部では、20 年以上テストプログラムを日々追加しながらこのようなケースに対応しているため、C 言語やC++ 言語といった言語のエキスパートに必然となっていき、こういった対応がノウハウとなり、私共のコア技術になっています。 また、技術とはちょっと違いますが、お客様サポートについても力を入れています。当社の製品を購入していただいた後も、正常に使用されて効果も出せているかというところをサポートしています。このようなサポートからお客様の声を聞いて、製品開発に反映しているため、技術面もそうですがサポート面も重要視しています。 今後の展開についてお聞かせ下さい東:自動テストツールに関しては、色々な異なったシステムと一緒に動作する案件が多く、それに100%対応するため基本的にこれまで拡張性を高くした内容のつくりになっていました。今後も、引き続き新たなシステムに対応するための拡張性に優れた製品開発を進めていきますが、それとともにお客様の使い勝手の良さにも注力していきたいと考えています。 例えば通常の開発プロセスは、まず開発チームから出てくる仕様書をもとにテスト内容や動作手順などの設計をして、それからその設計通りに実装を行い、実装が終ったらその実装が設計通りになっているかというテストを行って、製品としてリリースされる流れになっています。仕様書通りの設計を行うにあたり、どのようなテストが必要でどういう動作をしたらよいかということを、すべて人間の判断で行い設計していますが、やはり人間の考えだけではどうしてもテスト内容などに漏れが生じる恐れがあり、市場に出てからは様々な現場で色々な人が使用するため、不具合に繋がることもあります。そういったケースに対応するためには、人間があまり介入せずに、設計時にこういう風に動くべきだと定義したものを自動テストツールが判断してテストを行うようにしていくことなのではと思っています。 これが実現できれば、わざわざ開発プロセスという手順を踏まなくても、設計情報が自動テストで利用できるという理想的なものになります。実際に実現できるかはまだわかりませんが、お客様の要望される自動テストツールに関してのゴールはここなのかなと考えており、中期的な目標として捉えています。 それから短期的な目標としては、静電容量式のタッチパネルを使用したデバイスが増えてきているので、それに向けたツールの機能拡張も進めていきます。また、自動車関連の品質に対する高信頼性を求める動きから、テスト/検証に関する関心が強まっているため、当社としても引き続き傾注していくとともに、それに付随して医療器/航空/電力関連などでも同じような動きが起こるであろうと予想されるため、フォローできるような体制を整えていきたいと考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真4 Androidアプリケーション自動テストツール『QCWing for Android/Quality Commander for Android』写真3 目視では不可能な高精度ティーチング写真5 コンパイラ評価サービス