メカトロニクス2月号2012年

メカトロニクス2月号2012年 page 10/60

電子ブックを開く

このページは メカトロニクス2月号2012年 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
10 MECHATRONICS 2012.2 御社の概要についてお聞かせ下さい澤田:当社は、2000 年12月20日に有限会社として設立し、2001年3月13日に現在の株式会社三次元メディアに登記変更しました。当社の創業社長である徐は、立....

10 MECHATRONICS 2012.2 御社の概要についてお聞かせ下さい澤田:当社は、2000 年12月20日に有限会社として設立し、2001年3月13日に現在の株式会社三次元メディアに登記変更しました。当社の創業社長である徐は、立命館大学情報理工学部の教授を兼務しているという一般会社と異なる特徴をもっています。そのような関係で、設立当初から滋賀県草津市にある立命館大学のインキュベータ施設に本社を構えていましたが、今年の9月1日からは、大学の最寄駅である南草津駅に直結する商業ビルに移転をしました。 本社を移転したことには、大きな2つの理由があります。1つは、当社の販売形態が今までと少し変わってきたことです。最近では、直接エンドユーザーとのやりとりが増えたことで、大学内に会社があるということから、大学生が運営するベンチャー企業といったイメージをもたれることを避けたかったからです。それからもう1つは、ユーザーに対してのアフターサービスや提案などといったサポート体制を迅速に行うため、まずはすぐに動けるよう最寄り駅のそばに移転をしました。また、関東圏のユーザーに対しても本社同様のサポート体制を迅速に行うため、2010年8月16日に五反田駅から歩いて約2分の場所に東京支社を開設しています。 業務内容としては、高精度が要求される3 次元画像計測分野への事業展開が当社のスタートでした。主な事例としては、大手電機メーカーが手掛けた車検場の3次元測定・画像取得装置において、当社は計測の部分をお手伝いさせて頂きました。4台のカメラを使用し 高精度3次元画像計測から高信頼/高速/高精度3次元認識、さらにはロボットビジョンへと事業を展開する株式会社三次元メディア。ロボットメーカー6 社との連携により、幅広い産業用ロボットへのニーズに対応する同社の概要と事業展開、製品などについて、取締役 営業部長 東京支社長 澤田 純一 氏にお話しを伺った。株式会社 三次元メディア取締役 営業部長 東京支社長澤田 純一 氏生産ライン全体の自動化を実現させるロボット3次元ビジョンセンサ自ら行動対象を認識する産業用ロボットの“目”の役割を果たすた画像計測により、車両の車長、車幅、車高などを高精度に計測します(図1)。ターゲットを使用して、4 台のカメラのデータを基に3 次元計測を行う仕組みになっています。現在、国内約80 個所の車検場に導入しています。 また、オムロン株式会社が2007 年10 月に発売した3 次元ビジョンセンサ『FZD』に、当社の3 次元画像センサの高精度キャリブレーション技術を提供しています。オムロン株式会社の伝統的マシンビジョン技術と当社の高精度3次元技術との融合により、0.025mm の精度でステレオ校正を実現しました。 それからちょっと変わった事例として、山林伐採現場などで原木の材積を正確かつ容易に計測/集計するポータブル原木材積測定システム『ケンチル』を、製材メーカーの瀬戸製材株式会社と共同開発し、当社はソフトウエアの開発を行い、販売は株式会社CKSチューキが行いました。従来、原木の材積を調べるには、1 本ずつ入力(検知)を行うか、原木市場まで輸送して選木機にかける必要がありました。今回開発しました『ケンチル』は、デジタルカメラ、ストロボ、画像解析ソフトウエアをインストールしたPCだけで構成されているため、どこにでも持ち運びできることが大きな特徴になっています。正確な材積の把握、流通にかかる経費やコストの削減を実現するとともに、原木市場での業務簡素化や省力化にも貢献できる製品です。 このように、3次元画像計測に関する様々な取り組みに対して、それに携わるメーカーのお手伝いをさせて頂いています。また、3次元画像計測から3次元認識、さらにはロボットビジョンへの展開を考えており、最近では3次元画像計測のスポット新規開発より、ロボットビジョンにリソースを集中しています。これは、ロボット用3次元ビジョンに取り組んでいるどのメーカーよりも研究開発チーム、技術の蓄積が最強、最大と自負しています。 ロボットビジョンに関する事業の概要と 技術についてお聞かせ下さい澤田:FA 業界のライン自動化における課題事項は明確で、ロボットは予め決められた範囲のみのハンドリングしかできないという課題を抱えています。この解決策としては、ロボットに“目”をつけてロボット自らがワーク対象を認識し、自由に行動できるようにすることがラインの自動化に繋げられると考えています。 当社では、このライン自動化における課題解決のため、3 次元ロボットビジョンセンサ『TVSシリーズ』を開発し、FA業界の各メーカーにご提案しています。このTVSシリーズは、一体型の『TVS-S100A-S01』(写真1)とセパレート型の『TVS-S100A-M01』(写真2)といった2 種類をラインアップしていますが、中身のアーキテクチャーはすべて同じ仕様になっています。ただ使用するニーズがそれぞれ違うため、2 種類用意しました。当社の3 次元ビジョンセンサにおけるベースとなる技術は、輪郭による3次元認識です。この技術は、3 次元のCADデータを頂いて、そのCADデータと画像をマッチングさせる輪郭マッチングといった手法をとっています。 最近では、3 次元ビジョンセンサのニーズといいますか需要が高まりをみせており、先日開催され当社も出展した『国際ロボット展』でも、2年前に比べて様々な図1 車検場での車体計測写真1 3 次元ロボットビジョンセンサ『TVS-S100A-S01』(一体型)写真2 3 次元ロボットビジョンセンサ『TVS-S100A-M01』(セパレート型)