メカトロニクス1月号2012年

メカトロニクス1月号2012年 page 57/60

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MECHATRONICS 2012.1 57 先端IT/エレクトロニクスの総合展である『CEATECJAPAN 2011』が、一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、社団法人コンピュー....

MECHATRONICS 2012.1 57 先端IT/エレクトロニクスの総合展である『CEATECJAPAN 2011』が、一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)によるCEATEC JAPAN 実施協議会の主催で、幕張メッセにおいて開催された。 3日間の総来場者数は併せて172,137人に上った。■PC接続型CAN/LINアナライザとし ても利用できるSDカード対応の通信 データロガ (株)ラインアイでは、新製品として、PC接続型CAN/LINアナライザとしても利用できる、車載機器の開発に最適なSDカード対応の通信データロガ『LE-270A』を展示していた。 本製品は、USB経由でPCと接続した時は通信データをPC上でリアルタイムモニタ可能なCAN/LINプロトコルアナライザとして、また単独で使用する時はSDカード対応のCAN/LIN通信データロガとして利用することができる。高速CANと低速CAN及び、LINトランシーバを各2ch標準装備。テスト状況に応じて、CANとLINあわせて2chの通信ラインを測定でき、同時に4点のアナログ/デジタル信号を記録できる。瞬時停電に強く、水滴がかかるような場所でも利用可能で低消費電力のため、テスト車両への設置や検査ラインへの組み込みなどにも広く活用できる製品となっている。■近接無線通信技術を用いた技術を紹介 TransferJet コンソーシアムのブースでは、誰もが簡単に安心して快適に使える近接無線通信技術『TransferJet』に対応した様々な製品や試作機、さらに先進の要素技術を用い、現在、および将来への取り組みを紹介していた。 すでに市場に出ているTransferJet対応機器などを使用したデモでは、デジタルカメラをUSBクレードルに乗せるだけでフォトフレームやTVに写真を映し出すことができる様子や、デジカメで撮った写真を、その場でもう1台のカメラにタッチだけで簡単に転送/交換できる様子などを紹介。また、今後普及すると予想される電子書籍や、Videoのデータ販売をイメージしたサービスコンセプトの展示を行れており、電子書籍の中身を一部試読できる書籍棚の提案や、スマートフォンとKIOSK端末を組み合わせた高速ダウンロードのデモなど次世代のサービスコンセプトも紹介されており、注目を集めていた。■発熱部品の熱を、銅ピンを通じて逃がす シライ電子工業(株)のブースでは、銅ピン挿入基板を紹介していた。 本製品は、発熱部品の熱を銅ピンを通じて直接裏面に逃す高熱伝導性能をもっており、熱源を裏面にピンポイントで伝達できるので、熱源以外の基板の温度上昇がない、という特徴がある。また、多層配線が可能なので適応範囲も広く、放熱フィンと金属接合構造も可能。熱膨張によるはんだクラックの発生もない。さらに、必要な場所のみの銅ピン使用で軽量化が図れる他、はんだ付け、リペアも容易に行える。銅ピンを使用するため大電流を流すことが可能だ。 この他、透明フレキシブル基板『SPET』も紹介していた。非常に透明性が高い基板で、リフロー耐熱も180℃ と高い。銅箔張り合わせによる低抵抗導体(大電流対応)で、環境汚染物質も排除している。■小型ソーラーセルと電池の電源制御 を1チップで再現 ラピスセミコンダクタ(株)では、ソーラー電池/1次・2次電池制御LS『I ML9077/9078』を紹介。 この製品は、電池と太陽電池(SC)の2系統の電源を制御し、マイコン及び周辺機器を駆動させる電源制御LSIで、『ML9077』は、2次電池残量に応じてSCから2次電池への充電と、2次電源からのマイコン及び周辺機器への電源供給を自動制御する。『ML9078』は、SC発電電圧と1次電池残量を常時比較し、電圧が高い方をマイコン及び周辺機器への電源供給源として自動選択する。この2製品はともに低消費電力で、高精度の電圧比較、電源ラインの低インピーダンス特性を保持しての電源切り替えなどの機能がすべて自己制御されているため、完全に独立してSCと電池の2系統の電源を制御でき、システムコストの削減が可能となる。■指先で実際にクリックしているかの ような擬似的触感を実現するパネル 京セラのブースでひときわ注目を集めていたのは、同社独自の触感伝達技術を搭載した『新感覚タッチパネル』のデモンストレーションで、来場者が長い列を作っていた。 このパネルは、タッチするとリアルなクリック感やキーの押し込み感などといった多彩な感覚を得ることができるものである。触感伝達技術とは、人間の五感の一つである触感を擬似的に伝達させる技術で、同社のタッチパネルと圧電素子、制御ソフトなどの組み合わせによって実現している。圧電素子が振動し、電気を出力。振動波形の変化が操作感覚を実現するのである。 またその触感も、クリック感の他に、多段の押し込み感、柔らかいぐにゅっとした感じのものなど多彩で、各種アプリケーションに合わせたバリエーションが揃う。展開が期待される用途としては、産業機器、ナビゲーションシステム、携帯情報端末用、などがあるという。■『03015』サイズのチップ抵抗器を開発 ローム(株)では、スマートフォンなどのモバイル機器向けに高密度実装を可能として開発された、03015サイズのチップ抵抗器を紹介していた。 この抵抗器は、微細化の限界ともいわれていた従来の0402サイズに比べて、44%のサイズダウンとなるもの。開発にあたっては、従来の抵抗器製造技術ではなく、同社独自の微細化技術による製造システムを開発するとともにダイシング方法の見直しを行い、切断プロセスにおけるパッケージ寸法の公差を±5μmと大幅に低減した。寸法精度の向上によって、実装時の吸着エラー低減に貢献するだけでなく、電極に耐腐食性に優れた金を採用することによって、はんだの塗れ性も向上し、安定した実装が可能になる。これらにより、一般的に1台あたり数百個の抵抗器が搭載されているといわれているスマートフォンをはじめ、各種モバイル機器の高機能化、小型化に大きく貢献する、としている。なおブースでは、この抵抗器を砂のかわりに50万個入れた砂時計が展示されていた。 同展示会の次回開催は、2012年10月2日(火)?10月6日(土)の5日間、幕張メッセにおいて予定されている。CEATEC JAPAN 2011 2011 年10 月4日(火)?8日(土)幕張メッセCEATEC JAPAN 実施協議会■ 会 期■ 会 場■ 主 催SDカード対応CAN/LIN通信データロガ『LE-270A』デジタルフォトフレームに接続されたUSBクレードルの上にデジカメを乗せるだけで、フォトフレーム上に写真が映し出される『ML9077』のサンプル展示『新感覚タッチパネル』のデモ展示銅ピン挿入基板の展示『03015』サイズのチップ抵抗器などで注目を集めたローム(株)のブース