メカトロニクス1月号2012年

メカトロニクス1月号2012年 page 10/60

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10 MECHATRONICS 2012.1 大阪証券取引所(JASDAQスタンダー ド市場)へ上場されましたが、その経緯 などについてお聞かせ下さい菊池:上場を考えたのは、今から15 年程前になると思います。当社の従業員数が150 ....

10 MECHATRONICS 2012.1 大阪証券取引所(JASDAQスタンダー ド市場)へ上場されましたが、その経緯 などについてお聞かせ下さい菊池:上場を考えたのは、今から15 年程前になると思います。当社の従業員数が150 名になったときに、従業員の生活向上やモチベーションを上げる目的で考え始めました。 私自身、会社勤めを経験しており、その時思っていたのは大手企業に入社したかったということでした。少なからず当社の従業員も、入社前はそのような希望を抱いていたと思います。しかしながら、色々な事情により今は当社に勤務してはいますが、会社も少しずつ大きくなってきて従業員も150 名になり、上場することも夢ではないというところまできたときに、「みんなで一緒に頑張って大手企業の仲間入りを果たそう」という目標を従業員に話し、賛同してくれたため会社一丸という形でスタートがきれました。 具体的には今から7、8年前の2003年頃から動き出して、5 年前の2006 年にプロジェクトを立ち上げ、3 年前の2008 年にはジャスダック証券取引所(現大阪証券取引所(JASDAQスタンダード市場))の承認を頂ける直前までいっていました。しかし、当時リーマン・ショックの影響を勘案し、申請を取り下げることにしました。その後、市況もある程度回復してきたというこ 既存の技術となる匠の技から先端技術までを活かした「一括一貫」体制で、ものづくり総合支援を推進する株式会社 菊池製作所。2011年10月28日に大阪証券取引所(JASDAQスタンダード市場)へ上場し、さらなる成長を目指す同社の動向や技術/製品などについて、代表取締役 菊池 功 氏にお話を伺った。株式会社 菊池製作所代表取締役 菊池 功 氏ものづくり総合支援を推進する幅広いニーズに対応した「一括一貫」体制?開発/試作/量産までのすべてのプロセスを強力サポート?とで、昨年の7月頃から再度準備を進めていましたが、今年の3月に発生した東日本大震災の影響により、当社も福島に工場を所有していることなどから少し様子を見ることになりました。 上場するためのプレゼンテーションなどで、機関投資家の方々などから「なぜこの時期に上場するのか」といった質問をよく受けましたが、ここでまた理由をつけて先延ばしすることは簡単でしたが、そうすると当初の目的の一つでもある従業員のモチベーションを上げるということに反してしまうことになるため、少し厳しい状況ではありますが上場を決断しました。9月22日に上場承認を受け、10月28日に上場することができました。 15 年来の目標は、3度目のチャレンジで一応達成されましたが、上場したことにより今まで以上の責任感なども圧し掛かってきており、これからが正念場だと考えています。 御社の進める「一括一貫」体制の概要 と、それを支える技術についてお聞かせ 下さい菊池:もともと試作品の製作を行う会社は、基本的に一つの技術を専業で行うところが多いのですが、その中で当社は少し特殊な事業形態をとっています。「もの」をつくるには一つの部品だけではなく、複数の部品が組み合わさって一つの機能をもった製品になります。このため、一つの部品を製作するための技術だけではなく、複数の部品を製作するための複数の技術を所有することが、試作を希望されるお客さまから求められました。 そのような一つ一つの声に応えていく中で生まれてきたノウハウを積み重ねていき、また一歩一歩設備を整えていった結果、当社がたどりついたのが技術力/設備力/提案力を兼ね備えた、開発/設計から金型製作/試作/評価、さらには量産までを含めた一連のプロセスを要望に応じて提供していくことができる、「一括一貫」体制でありました。「一括一貫」体制は、製品開発の複雑なプロセスを合理化し、高品質/低コスト/短納期といったメリットをお客様に提供するため、様々な設計/素材/加工法により最適なプロセスを選択し、お客様のものづくり支援を行っていくことができます。 ここで、「一括一貫」体制を支える当社の技術について、いくつかご紹介させて頂きます。 金型製作技術は、創業以来培ってきた当社グループの基幹技術であり、各種素材の特性に合致した金型の設計から製作まで、すべての工程を自社で行うことが可能です。また当社では、量産プレス(薄板向け)用の金型の製作も行っており、事務機器、通信機器、カメラ写真1 金属射出成形(メタルインジェクション製法:MIM) 写真2 プラスチック射出成形(モールド成形) 写真3 マグネシウム成形(チクソモールディング)