ブックタイトル実装技術8月号2021年特別編集版

ページ
34/46

このページは 実装技術8月号2021年特別編集版 の電子ブックに掲載されている34ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

実装技術8月号2021年特別編集版

42はんだ接合技術12   はじめに 昨今のe-モビリティとその迅速な開発サイクルは、パワーエレクトロニクス業界に新たな課題をもたらした。様々なデバイスの種別が増加し、市場投入までの時間を短縮し、迅速な生産ラインの立ち上げと大量生産が求められている今、生産設備に柔軟性と拡張性が求められている。高品質のパワーエレクトロニクスの重要な設備の一つは、真空はんだリフロー炉である。当社は各真空チャンバをモジュラ化することで、拡張可能なVADUはんだ付けシステムを開発した(写真1)。新しい機能とスループットの向上は、追加のモジュールをインストールすることで既存のシステムに簡単に追加でき、低投資で生産設備を備えることが可能となった。これにより、研究開発および小規模生産用の手動バッチシステムから、完全自動制御の大量生産用のインライン設備まで対応可能となった、モジュラVADUシリーズは幅広いニーズを求めるユーザーに応える拡張可能な生産設備の提供を実現した。 本設備の各モジュールは真空チャンバであり、適宜最適化されたプロセス雰囲気と真空中での最適なはんだ付けの環境を作り出すことで、ボイドを減らし、それによってはんだ接合の品質を大幅に向上させる。カスタマイズ性が非常に高いため、VADUシステムは様々なユーザーのニーズに適合させることが可能となった(図1)。   ボイドフリーはんだ付けのために   必要な条件 パワーエレクトロニクスでは、ボイドのないはんだ付け層が必要となる。ボイドははんだ層の熱抵抗を増加させ、ホットスポットを引き起こし、はんだ疲労を加速させてしまう。ボイドパワーエレクトロニクスデバイス製造における少量から大量生産まで拡張可能なモジュラ型真空はんだ付けシステムピンク・ジャパン(株) / 渡邉 和也写真1