ブックタイトル実装技術8月号2021年特別編集版

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実装技術8月号2021年特別編集版

29“手直し不要”を実現するはんだ付け専用ロボット【 メイコー“真”理論4.0】はんだ接合技術45では品質がバラついてしまい量産には耐えられない、という声が多い。 下記、手付けによりバラつく動作の一例である。 ?こてを当てる : 速さ、位置、角度、時間 ?はんだを送る : 速さ、位置、角度、量 人間(作業者)である限り、例えば±0.1mmの繰返し精度は再現できない。そのため、ワーク(ポイント)間において、はんだ付け品質のバラつきが生じる。人間(作業者)は手首を器用に返したり、時間をかけたりしてノウハウ(職人技)を駆使する。 その盲点とは、本来除外すべきワーク(酸化などが進行した部品・基板)に対しても一見、仕上げてしまう。その結果、フィレットの外観検査はパスしても接合面(合金層)にはリスクが内在している。これが品質管理の危うさである。また、こて先においては手付けのバラつきを補う工夫が施されている。これを手付けノウハウと呼び、一例を以下に記す。?こて先の形状 手付けでは、はんだ量がバラつくため、余分なはんだを吸う形状となる。 ?高熱容量のヒータ 手付けでは、こてを当てる時間がバラつくため、温度復帰性を高める機能がある。?頻繁なこて先のクリーニング 手付けでは、こて上にはんだが残留するため、こて先のクリーニングが何回も必要なる。   【現象論 ①】ロボット化の現実   ~まだまだ、うまくいっていない~ 手付けの課題を解消するためにロボットを導入する。その結果はどうか? 端的に言えば、自動化は業界全体としてうまくいっていない。現場では様々なトラブルが発生している。 その理由は、(メイコー以外の)ロボットに問題がある。加えて、その問題はロボット導入後の量産時に露見する。つまり導入前のはんだ付け実験(10~20ワーク程度)では問題が露見されない。ここが盲点なのである。 しかし時すでにおそし。そこから対策を講じても抜本的な改善は見込めない。これがロボット化の問題なのだ。その結果としてユーザーは日々対応に追われ、「今日は付いたけど、明日付くかどうか分からない」という状況に陥る。   【現象論 ②】トラブル・チェックリスト   ~御社も予備軍かも?~ 具体的なトラブル例をチェックリストにて紹介する。御社の生産現場ではいくつ当てはまるだろうか? ?不良率、不良個所、不良内容がバラつく     □ ?こて先の寿命が物足りない          □ ?生産タクトが物足りない            □ ?こて先のクリーニングが頻繁に必要       □ ?プログラミング(ティーチング)に長時間かかる  □ 残念ながら、一つでも該当すればトラブル予備軍入りとなる。   【構造論 ①】原因はロボットです   ~汎用ロボットが原因~ ロボットを導入しても、うまくいかない。なぜなら原因はロボットに問題があり、はんだ付けに対して性能不足であるからだ。それではどこが問題なのか? 具体例を挙げて述べてゆく。 まず、前提として、メイコー以外ではロボットの設計は行わず、市販の汎用ロボットを用いている。ここに構造的な問題が潜んでいる。つまり汎用ロボット自体の制限により、はんだ付け動作への悪影響が生じている。それにより、量産の安定化を阻害する結果となる。 下記、メイコー以外のロボットの具体的な問題(3点)を解説する。 (1) アームスピード不足 (2) ピストン構造のこて (3) こて先とはんだ送りの連動不足(1) アームスピード不足 こて先は、ロボットアームの先端に装着され高速動作が求められる。その理由は、スピード不足の場合、刻一刻とこて先の(株)メイコー6