ブックタイトル実装技術2月号2021年特別編集版

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概要

実装技術2月号2021年特別編集版

 国や通信各社は、世界に1年遅れでも3月にサービスを開始すれば7月の世界的イベント、東京オリンピックで一気に需要が拡大し、5G 通信の普及率では、世界のトップレベルになる青写真を描いていました。 これが、コロナ禍によるまさかのオリンピック2020年での開催中止。少ない設備投資の段階で多くの人が5Gサービスを体験できるオリンピック会場や繁華街などの人口密集地域に対する「3密防止」により、サービス開始の遅れをスタートダッシュで取り戻す青写真は崩れてしまいました。 国も通信各社も5G通信を早期に立ち上げたい思惑は同じです。特に国は「情報立国」の看板を立てながら、実際は、各国に立ち遅れ、「デジタル/情報後進国」になっている実情を認識しています。9月に発足した菅内閣の目玉政策としても、「通信料金の大幅値下げと」と「デジタル庁の新設」を大きな目玉政策としています。 5G通信はこの政策の大きな前提です。新規に開始する5G通信サービスには通信各社は、多くの設備投資が必要です。このため、当初、通信各社は、5G対応料金などの名目で通信料金値上げを図りました。 イベントがなくなった状態では、通信量が増える5Gに対しての通信料金値上げは5G普及の妨げになります。このため、通信各社に、通信量が増える5Gに対して、大容量プランの値下げを求めるため、大きな設備投資なしに早急に5G 通信網を構築するための政策が4G 通信帯を5Gでも使えるようにしたことです。 今回、新たに5G 通信にも使えるようにした800 ?900MHz 帯は一般に「プラチナバンド」と呼ばれています。実は、既に開始された5G 通信に使用されているサブ6と呼ばれる6GHz以下のGHz帯も既にスマートフォンやタブレット、パソコンなどで4G 通信を初め多くの無線通信で使われています。4G 通信以外にはGPS、Bluetooth、Wi-Fiなどです(図3)。 このようにサブ6で多くの実績があるにもかかわらず、総務省が800MHzw 帯に対して新たに5Gとしての使用を許可したのは、帯域の「使いやすさ」とそれに伴うサービスエリアの広さがあります。既存通信各社の4Gサービスは800MHzw 帯が主でサブ6で行われている4G 通信エリアはずっと狭いエリアに限られます。800MHz前後の周波数帯は信号伝搬距離、木や家屋などの障害物の透過性やビルの陰への回り込み特性に優れています(図4)。 電波の到達性に優れ、ある程度、周波数が高いので送れる情報量も4G通信程度では不足はありません。このため、この周波数帯はプラチナバンドと呼ばれ、使いやすい」周波数帯となっています。 後発のソフトバンクが当初割り当てられた周波数帯は1.5GHz 帯と2.1GHz 帯で、NTTドコモやauが使用していた800MHz帯の比べ、「つながらない」と不評でした。 2012 年にやっとこの900MHz 帯域を認可され、iPhone の日本で独占販売などで、大きくシェアを伸ばしました。 新規参入の「楽天モバイル」も、現在は4G用に1.7GHz帯しか割り当てられていないため、「他の3 社に比べ著しく不利」として、プラチナバンドの割り当てをもとめています。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図2 800MHzも5Gに使えるように 図4 プラチナバンド電波の透過性と通過/回り込み性表2 世界の5G 通信 (2020年3 月現在)(総務省「通信白書」令和2年版を参考に作成)図3 日本の通信で使っている周波数53