ブックタイトル実装技術2月号2021年特別編集版

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概要

実装技術2月号2021年特別編集版

これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第119回 5G時代のパッケージング技術AiP1. 5G通信時代 日本ではNTTドコモ、au、ソフトバンクが昨年(2020 年)3 月に、楽天モバイルも9月から5G通信サービスを開始ました。アメリカや韓国から1年遅れ、その間サービスを開始した中国やヨーロッパにも遅れをとった5Gサービス開始です。また、5G 対応スマートフォンも5Gサービス開始当初から対応していたSony (Xpedia)、Samsung(Galaxy)、続いて、10 月からはApple のiPhoneも5G対応になりました。 いよいよ日本でも5G 通信時代が始まりました。5Gは今後10年間は通信の主流を担う技術と考えられています。5Gは5thGeneration(第5 世代)の通信技術です。 第1 世代は1983 年にモトローラ社が初めて一般向けにサービスを開始してから2000 年にサービスが終了するまで使われたアナログ式の携帯電話技術です。使用周波数は800Mhz 帯です。当初は、機器も大きく、車載電話として使われ始めました。 第2世代は1993年から2012年のサービス停止まで使われました。ここで初めてデジタル通信技術が導入されました。使用周波数は800Mhzから1.5Ghzまでのいくつかの周波数帯を使用しました。機器も小型化され、携帯電話として、普及しました。携帯同士のメール送受や「写メール」と呼ばれる形態で撮影した映像を見るで送る機能が注目されました。 第3 世代は2001 年からサービスが開始され、450Mhzから3.6Ghz のいくつかの周波数領域を使っています。2008 年にApple社からiPhone 3Gが発売され、スマートフォンを使ってのインターネット接続が簡単に行えるようになりました。 そして、現在の主流が第4世代で2012年からサービスが開始されています。 第5 世代通信は一部の国では2019 年から、日本では2020 年からサービスが開始され始めました。表1にこの通信技術の変遷を示します。 このように無線通信技術はおよそ10 年ごとに前の世代から一気に10 倍以上の性能向上を図った世代交代が起きています。2. 5G通信の現状 5G通信といってもサブ6と呼ばれる6GHz以下の周波数を使用する通信とミリ波と呼ばれる26GHz以上の周波数を使用する通信の2つがあります。サブ6とミリ波では電磁波(電波)の性質も基板に対する要求、回路や実装にも大きな違いがあります。現在、ミリ波を使った5G 通信はアメリカのみで実施されていて、日本や韓国ではサブ6の5G通信をしています。このため、たとえば5G対応のiPhone 12ではアメリカで販売しているものはミリ波対応のアンテナを実装していますが、日本をはじめ海外で販売されているものにはミリ波アンテナが実装されておらずダミーが実装されています(図1)。 さらに従来4G通信のメイン周波数帯である700?900MHz帯も5G通信に使用されています。たとえばミリ波を使っているアメリカでは、サブ6である2.5GHz、3.5GHz帯や600MHz帯も使っています。表2に各国で運用されている5G通信の概要を示します。 日本でもこれまでに5Gに割り当てられていたサブ6、割り当て予定のミリ波に加えて5G 通信が開始された2020 年の3 月より後、8月末に通信各社に4Gに割り当てている800?900MHz 帯の周波数帯を5Gに使えるように許可しました(図2)。図1 iPhone12の5G 通信機能、日米比較(日米のApple HPより)表152