ブックタイトル実装技術7月号2020年特別編集版

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概要

実装技術7月号2020年特別編集版

41 S = W*T W : 導体幅 T : 導体厚さ 残念ながら、厚膜印刷回路導体の断面形状は、長方形というには程遠い(図3、図4)。回路のエッジ部には、少なからずダレ(テーリング)があるが、その程度は多くの要因が関わってくる。主要なものだけでも、インク、基材とインクの相性、スクリーンマスク、スキージ、印刷機などなど、枚挙にいとまがない。それでも、回路幅が100ミクロン以上であれば、ある程度平坦部があり、導体の断面積を計算することは不可能ではない。しかしながら、導体幅が80ミクロンを下回ってくると、回路導体は薄くなり、平坦な部分の割合は小さくなってくる。図4の微細回路の場合、回路幅の設計値が50ミクロンであるのに対して、ベーキング後の導体厚さは、5ミクロン程度まで、薄くなっており、端部の形状は明確ではなくなってしまう。図5は回路幅50ミクロン(回路ピッチ100ミクロン)の導体を、三次元立体顕微鏡で撮影したものであるが、回路のエッジ部がシャープでないだけでなく、回路中央部の凸凹も小さくない(この図では、X Y方向に対して、Z方向を強調している)。 このように、厚膜印刷法で形成する微細回路の導体抵抗を、設計時において導体形状から計算で求めるのは、なかなか容易ではない。一方で、実際に形成した厚膜回路の導体抵抗を実測し、そのデータに基づいて、設計している厚膜回路の導体抵抗はかなり高い精度で求めることができる。逆に、流す電流値がわかっているのであれば、必要な導体幅、導体厚さを計算することができる。 図6は、市販の汎用銀インクとナノパウダー銀インクを使って、回路幅の異なる導体パターンを形成し、その導体抵抗を測定したものである。いずれも、きれいな双曲線を描いており、プロセス条件が安定しているのであれば、設計している回路の幅から、その導体抵抗を推定することができる。また、流れる最大電流値が分かっていれば、必要な回路幅を計算することができる。汎用銀インクとナノパウダー銀インクで印刷形成した回路の導体抵抗の差は3~4 倍ということになる。3. 微細回路の形成 図6では、最小回路幅は0.5mm(500ミクロン)で、それより狭い幅の導体の抵抗値は示していない。これは、導体幅が500ミクロン未満になると、導体抵抗の曲線の双曲線からの図4 厚膜印刷で形成された銀インクの導体断面図3 厚膜印刷で形成された銀インクの微細回路(もっとも微細な導体回路が50ミクロン)図6 厚膜印刷回路導体の導体幅と導体抵抗の関係(市販の汎用銀インクとナノ銀インクを使用)図5 三次元立体顕微鏡で撮影した厚膜印刷回路の微細回路パターン(回路幅:50ミクロン、導体厚さ : 5ミクロン)