ブックタイトル実装技術9月号2019年特別編集版

ページ
33/40

このページは 実装技術9月号2019年特別編集版 の電子ブックに掲載されている33ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

実装技術9月号2019年特別編集版

39パタンを焼き付け、現像によって固定する。ここで使うレジストはポジ型で、回路とは逆のパタンになる(同図(4))。微細パタンを形成するために、最近では、ドライフィルムタイプに替えて、液状のレジスト材料が使われるケースが多くなっている。ここで銅金属を電気めっきすると、レジストの空いている部分に銅金属のパタンが沈着して微細回路が形成される(同図(5))。そして、めっきレジストを除去すると、金属銅の回路が現れる(同図(6))。ただし、この時点では、回路間にシード層が残っているので、これを選択的に除去しなければならない(同図(7))。除去剤としては、ニッケルは溶かすが、銅のエッチング速度が小さいエッチャントを選ばなければならない。3. 透明フレキシブル基板 これまで、はんだ付けのような高温プロセスの適用が想定される場合には、ポリイミドフィルムをベース材料とするフレキシブル基板を使うのが一般的である。米国デュポン社が開発したカプトンを始めとして、フレキシブル基板に使われるポリイミドフィルムは柿色、茶色を呈しており、透明性はほとんどない。一般の電子機器用の内部配線用のフレキシブル基板であれば、特に透明性は要求されず、標準的なポリイミドベースのフレキシブル基板で間に合わせることができた。ところが、新たに実用化されてきている、医療機器、光学機器、ヘルスケア機器においては、透明性と耐熱性の両者を必要とするケースが増えてきており、無色透明なフレキシブル基板の必要性が高まっている。 すでに透明なポリイミドフィルムは、複数のメーカーが上市している。また、ポリイミド以外でも、フッ素樹脂フィルム、PEEK(ポリエチルエチルケトン)フィルム、PENフィルムなどが透明フレキシブル基板のベース材料として、試みられている。可視光の透過率は、おおむね85%を越えている。これらの耐熱性透明フィルムは、無電解めっき、スパッタリング、電気めっきなどのプロセスを使って、接着剤層のない銅張積層板が製品化している。すなわち、従来のフレキシブル基板用フォトリソグラフィ/エッチング設備があれば、導体パタンを加工することができる(図2)。銅導体自身は透明ではないが、回路幅が50ミクロン未満になってくると、実質的に、透明に近くなる。透明ポリイミドフィルムをベースとしたフレキシブル基板は、高い耐熱性を持っており、はんだ付けやワイヤボンディングなどの高温プロセスを適用することが可能である(図3)。問題は透明なカバーレイ材料である。ベースフィルムと同じフィルムに透明な接着剤を塗布したフィルムカバーレイが図1 セミアディティブプロセス図2 透明ポリイミドフィルムを使った耐熱性透明フレキシブル基板図3 LEDチップをはんだ付け表面実装した透明フレキシブル基板