ブックタイトル実装技術2月号2019年特別編集版

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概要

実装技術2月号2019年特別編集版

13BGA実装基板の不良箇所を特定するJTAGテストによる量産検査と不良解析の改善検査技術3キャンに対応した部品が実装されている必要がある。以前はバウンダリスキャンに対応していない部品が多かったが、現在のBGA部品の多くはJTAGテストに対応している。デジタル回路の中心となるArmプロセッサ、FPGAなどのJTAG対応部品をパソコンから制御して、周辺回路のDDRメモリ、フラッシュメモリ、ロジック部品などと合わせてテストすることができる。   JTAGテストの仕組み 近年の小型BGA基板に対するプローブピンによるアクセスの問題を解決するため、1985 年にJETAG(JointEuropean Test Action Group)という次世代の部品パッケージの検査方法を検討する団体が、ヨーロッパの先端企業を中心にはじまった。その後、1986 年には米国の企業が加わり、JTAG(Joint Test Action Group)という団体名に変わり、1990 年にはQFP/ BGAパッケージの部品を含む高密度実装基板のテスト手法として「IEEE 1149.1」で規格化された。規格は2013年にアップデートされ、部品の真贋判定のためのECID(Electronic Chip ID)が追加されている。バウンダリスキャンテストは、団体名から「JTAGテスト」とも呼ばれている(図4)。 現在では多くのLSIメーカーがIEEE1149.1に準拠したデバイスを数多く供給しているため、JTAGテストは一般的なテスト手法の1つとなった。JTAGテストは、TAP(テストアクセスポート)である4本のJTAG信号(TD(I テスト・データ・インプット)、TDO(テスト・データ・アウトプット)、TCK(テスト・クロック)、TMS(テスト・モード・セレクト) から部品内部のバウンダリスキャン回路を制御する仕組みである。部品によっては、オプションでTRST(テスト・リセット)を含む5 本の信号を使うこともある。JTAG対応部品には、バウンダリ・スキャン・セルというテスト用の信号を入出力させるための回路が内蔵されており、部品の端子をインサーキットテストのプローブピンのように利用して、通電試験ができる検査手法である。テスト中はJTAGテスト対応部品の内部ロジックが切り離され、パソコンからJTAGテストコントローラを介して、部品の端子をテストプローブとして自由に信号を入出力できる。そのため、ファンクションテストのようなソフトウエア開発は必要なく、マイコン用のテストプログラムの開発やFPGAのテスト用のロジック設計は不要となる(図5)。アンドールシステムサポート(株)図3 AOI、X線、JTAGテストの役割図5 JTAGテストの仕組み図2 ICT、FCT、JTAGテストの役割図4 JTAGテストの誕生と部品パッケージの進化