ブックタイトル実装技術6月号2018年特別編集版

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概要

実装技術6月号2018年特別編集版

661. 会社紹介 当社(コニカミノルタメカトロニクス(株))は、コニカミノルタグループの生産会社として2016年4月に旧豊橋精密工業(株)と旧コニカミノルタ電子(株)が合併し設立された。 長年培ってきたプリント基板AW 設計/ 実装技術や板金、樹脂加工技術およびユニット組立製品の製造のノウハウを融合し、コニカミノルタグループ内外のお客様に小ロット多品種の製品を提供している。 また、ICT(Information Communication Technology)と自動化を活用した工程の効率化を追求することにより継続的な製造原価の低減に取り組んでおり、自社での自動化設備の設計・開発も行っている。 今後は、最先端のICTと生産プロセスの自動化技術を融合させコニカミノルタが考える『Digital Manufacturing 構想』で、生産現場のワークフロー改革を実現する製造業向けソリューションサービスの提供をめざしている。2. はじめに 海外生産における人件費高騰や品質問題により、高難度、高品質を要求される分野では国内回帰の動きがあるいっぽう、大量生産品は依然として海外生産が主流である。 さらに、近年の製品ニーズの多様化やライフサイクルの短縮もあり国内基板実装は小ロット多品種への対応が必要になってきている。 当社においても、年々大ロット製品の生産数量は減少し、小ロット製品の品種が増加している。 そうした現状において事業の継続性を確保し、グローバルな競争力を高めるためには生産現場の自動化やICT の活用による製造原価の低減が不可欠と考えている。 今回の投稿では、小ロット多品種生産において、当社の都留事業所で生じた課題を例に挙げ、その対策事例を紹介する。同じような課題に直面された際に、解決の参考にしていただきたい。3. 小ロット多品種生産における課題と対策 本稿では以下のような課題に対し、対策事例を紹介する。① 部品種、専用治工具増加による工程内物流管理とスペース  の確保の煩雑化② 工程タクト差などによる仕掛り在庫の増加③ 各工程段取り時間増加による生産性の低下④ 人手工程の増加による固定費増加 生産品目が増加すると、それに合わせて部品種や実装・検査治工具などが増加する。また、工程間や製品間のタクト差から工程内仕掛在庫も増加する。 さらに、小ロット製品の増加による段取り回数の増加により、実装後の使用済リールの戻し作業、保管作業が間に合わずに、実装ライン周辺での一時保管場所増加によりスペース効率の低下に繋がっていた。 生産性の面では、段取り替え時間の増加と人手工程の増加による固定費の増加がある。 当社の過去5年のデータでは、基板加工費(SMT、DIP、各種検査)に占める段取り替えの内訳が、大ロット製品では8%であったものが小ロット製品では20 %と非常に大きな割合を占めていた。 段取変更以外の工程においては、小ロットでは投資費用が製品価格に圧し掛かるため、大ロット時のように専用設備への投資による自動化を行えず、人の手による作業が増えてしまう。また、各工程で建屋や階層が離れているような場合には、移動のムダも増えている。 次章より、上記課題を解決するために取り組んでいる当社の事例を紹介する。Digital Manufacturing構想の実現による国内生産現場の効率化と製造原価低減にむけた取り組みコニカミノルタメカトロニクス(株) / 小川 尚人、 天野 竜也