ブックタイトル実装技術6月号2018年特別編集版

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概要

実装技術6月号2018年特別編集版

501. はじめに 3Dプリンタの登場によって、新しいアイデアや製品を簡単に試作できるようになっている。いわゆるMaker Movementと呼ばれる動きが加速している。しかし、ものづくりは従来の3Dプリンタやレーザカッタのようなデジタル工作機械だけでは形はできるが、電子機器のように動く物体を作ることは不可能である。 あたりまえの話だが、電気で動くものは、その動力源である電子回路基板が必要なためで、この電子回路基板は、いわば電子機器の心臓部ともいえる部分である。この電子回路部分は、一般的にはプリント基板と言われる緑色などのボードと、そこに着けられている無数の部品、はんだなどで構成されている。 電子回路はその電子機器の機能や動く動作方法によって設計図が作られ、プリント基板にプリントされ、さまざまなパーツが取り付けられる。 この電子回路基板の製造方法も一般的には、リフロー炉などを用いた大量生産方式がとられているが、こういった従来のものづくりをさらに一歩も二歩も前進させる技術、エレクトロニクス回路も同一装置で形成でき、電子機器をワンピースで作成できるのがこのSPACE ART のものづくり革命である。 本装置は、専門知識を持たなくてもPCやスマホのお絵かきアプリで作成した回路から、実物の電子回路基板を簡単に素早く形成できる。また、電子回路基板製作用の各種マスクが不要と言うことは勿論、紙やプラスティックフィルムという平板にしか回路印刷できない装置ではなく、どんな材料や立体物の上(例えばガラスコップやロボットアーム、ドローンの機体上に)にも精密な電子回路パターンが形成できる。 さらに、3Dプリンタとしては従来の光造形機を凌駕する、射出成形レベルの高精度な造形物が高速で造形可能な1台2 役の装置である。2. SPACE ARTの特徴 一般的な光造形式の3Dプリンタの特徴は当然、もち合わせているが、フォーカスフリー・高精度/高精細・高速造形な性能を生かし、単なる回路プリンタや3Dプリンタにはない特徴をもち合わせている。 ① 曲面にも簡単に(装置の上に置くだけ)電子回路パター   ンが形成可能。 ② 超精密電子回路L/S(ライン&スペース)=0.1mm/   0.1mmが形成可能。 ③ 高さ35mm のエッフェル塔が4 分で造形可能(高速造   形モード : 約530mm/時間相当)。MEMSミラー+405nm半導体レーザを用いた超高速/高性能な1台2役3Dプリンタ(回路パターン形成と3D造形)の実用化に向けてカンタツ(株) / 大嶋 英司写真1 SPACE ART外観(本体+操作用Note-PC)本体サイズ : 263(幅)×306(奥行)×503(高さ)mm