ブックタイトル実装技術6月号2018年特別編集版

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概要

実装技術6月号2018年特別編集版

35耐熱性透明フレキシブル基板の材料と加工技術プリント配線板製造の動向を探る3レキシブル基板に透明性が求められる。これは、従来型のポリイミドフィルムでは、望むべくもない。 そこで実用化されたのが、耐熱性はないものの、透明性の高いPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムをベースにして、高温がかからないプロセスを適用して、透明回路を実現する構成である。 このような構成の透明フレキシブル基板で構成したタッチパネルスイッチは、スマートフォンやタブレットPCで広く使われるようになっている(図3)。 一般的にタッチパネルは、PETフィルム上に透明性の高いITO(インジウム錫酸化物)皮膜を形成し、銀インクを印刷して配線としていた。しかしながら、PETフィルムをベースにする限り、はんだ付けが出来るような耐熱性を得ることは難しく、適用される範囲は限定的なものになっていた。   新しい耐熱性透明材料  いっぽうで、はんだ付けなどの高温プロセスに耐えられるような耐熱性を持った透明フレキシブル基板の需要が潜在的に存在していた。特に光学的な回路やメディカルデバイスでは、耐熱性と透明性を併せ持つフレキシブルな回路の用途が出てきていた。 しかしながら、従来型のポリイミドフィルムと同等の特性を持ちながら、かつ透明なプラスチックフィルムを合成することは予想外に難しく、材料メーカーの化学者たちは、その実現をあきらめかけていた。 ところが、最近になって、新しい考え方で、透明性と耐熱性を両立させるような材料が開発、実用化が進み、耐熱性のある透明フレキシブル基板が現実的になってきている。 これまでに開発実用化が進んでいる基材としての透明耐熱材料としては、表1 のようなものが挙げられる。いずれも、人間の目に感じる可視光線領域(波長400~800nmで、80 %以上の透明性を実現している。DKNリサーチLLC、(株)旭電化研究所表1 実用化が進む耐熱性透明材料図3 透明タッチパネルを使ったスマートフォン