ブックタイトル実装技術4月号2018年特別編集版

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概要

実装技術4月号2018年特別編集版

25簡易表面異物測定器『BANDO DEC-20』の開発と応用製品製造現場を効率化させるシステム・技術3 ⑦ 市販品と比べて低価格とする以上の項目を満足させるために、以下を基本構想とした。 ① 高機能CCDカメラにより上方向から撮像する ② 軽い匡体を用いて測定空間(暗箱)を確保する ③ 光源にLEDの点光源を配置し、水平方向からの照射と   する ④ 高機能CCDカメラの撮像情報をPCに送り込み、データ   保存とデータ加工を可能とする ⑤ 環境モニタリング用として暴露用シートを透明容器に置   き、ふたを付けたまま直接測定できるようにする2.『 BANDO DEC-20』の構成(1) 構造 上述の開発コンセプトに基づき開発した測定装置の簡単な模式を図1に示す。全体の大きさ(W、D、H)は約270×120×150mmとコンパクトである。測定空間全体を暗視野にするために、黒色の匡体(Cell)とした。左右の側面下部にはLEDの点光源を横方向へ帯状に等間隔に複数個取り付けた。高機能CCDカメラは匡体の上部中央に取り付けた。 このカメラをAC100Vの電源を接続し、PCへUSB接続させた。また、底部平面には黒色のアクリル平板を敷き、異物を暴露付着または撒布させて被測定物とした。この上に簡易表面異物測定器を置き、被測定物を撮像する。次に得られた画像をPCに取り込み、異物の輝度をフリーソフトで解析する。簡単な構造ではあるが、LED光源とカメラとの取り付け位置関係を最適化することで、異物測定器として十分な機能を発揮することが可能である。同時に異物の撮像が可能となり、異物の形状確認を可能とした。(2) 高機能CCDカメラとImageJ 高機能CCDカメラは、最大解像度約500万画素のAutofocus機能付きを搭載した。このカメラはドライバソフトのインストールが不要なUVC(USB Video Class)対応のカメラで、USBからPCに接続させる。この画像情報を基にImageJ3)を用いて、輝度を解析し、検出した異物のサイズや個数、統計処理など必要な解析情報が得ることができる。ImageJとは、パブリックドメインのJavaによる画像処理のフリーソフトウエアであるが、Down Loadすれば特別な使用制限もなく、誰でも使用することができる。ImageJ では、任意に決めた選択範囲に対して、その面積やピクセル値(輝度値)に関する情報を簡単に加工でき、統計量の算出や、距離や面積、角度も測定でき、輝度分布のヒストグラム表示など多数の解析が可能である。加えて高機能CCDカメラで撮影した画像の観察や異物の面内分布、(X、Y)座標の表示など、幅広いデータ加工も行える。   評価の方法と結果1. 匡体内(測定部空間)の照度 匡体内の照度測定には照度計(LM331:アズワン製)を用いた。LEDは帯状シートに等間隔取り付けられた複数の点光源で、消費電力は左右合計で0.96Wである。点光源は下部端面より約8mmの高さで取り付け固定した。 図2(a)に高機能CCDで撮像した被測定物全体の表面の明るさを示す。左右方向から中央部に向かって放射状に光が拡散していることがわかる。ここではLED光源近傍に5mm□のバーを立て光の進行方向が分かるように陰影を付けた。クロスラインはスキャンした線(Profi le line)を示し、この線クリーンサイエンスジャパン、 バンドー化学(株)図1 簡易表面異物測定器『DEC-20』の構造模式図2(a) 照度の分布