ブックタイトル実装技術3月号2018年特別編集版

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概要

実装技術3月号2018年特別編集版

41した。当社内での性能評価では、高密度基板において平均で『TypeHS』比:26 %の高速化を確認することができており、『TypeHS2』では、基板や検査内容に依存することなく、常に高速に基板検査を行うことが可能となる(写真2)。2. 極小部品向け高精細モード搭載(分解能7μm仕様) 現状のSMT市場においては、0603や0402サイズのチップ部品の使用量は年々増加傾向にあり、スマートフォン市場では、03015サイズのチップ部品の量産使用も開始されている。また、各デバイスメーカーにおいては0201サイズのチップ部品開発、量産導入の検討も進められており、当社においてもマウンタではすでにこれらの部品の高精度搭載を実現している。AOIにおいても例外ではなく、0201サイズのチップ部品の外観検査を視野に入れ、製品開発を進めてきている。 今回の『TypeHS2』では、この0201チップ部品の3D 形状をより正確に再現することができる高精細モードを搭載している。7μm 解像度レンズに合わせて独自開発した専用3Dプロジェクタにより、電子部品の3D 形状の再現性を向上させ、0201サイズのチップ部品に対する高さの繰り返し測定精度を大幅に改善させている。(図2)3. 鏡面部品 3D検査性能向上 本来、QFPやBGAに代表される一般的なIC 部品全般はシリコンウエハをリードフレームや基板にマウントし、ワイヤボ図2 C0201 3D画像図3 ウエハレベルCSP 3D画像ンディングした後に、モールド封止をして完成される。ただ、近年では基板の高密度化に伴い、モールド封止をせずにベアチップに近い形で直接、電子基板に搭載するウエハレベルCSPという部品が使用されるケースが増えてきている。この部品を基板に搭載する上で、3DAOI の外観検査において問題点が1つある。それは、IC 表面が鏡面状態となっているという点である。 モアレ方式により3D部品形状再現を行う場合、この鏡面状態部分の再現性が問題となるケースがある。明暗の縞模様の光を検査対象に投射し、その形状の歪みを撮像することで3D計測を行うモアレ方式であるが、検査対象の表面が鏡面状態となっている場合、投射した光が正反射し、正確な3D計測を行う事ができない。これは、3DAOIが普及し始めた当初からの課題であったが、『TypeHS2』では、この課題に対して撮像パラメータの最適化により、鏡面部品の3D計測精度を改善している。鏡面部品に対してのみ独自の設定による撮像を行うことで、今まで3D形状再現が困難であった部品も、再現することが可能となる(図3)。3. 様々な検査を実現する充実した支援機能 『TypeHS2』では、上記の進化した機能以外にも、2014年に『YSi-V』シリーズを発売開始して以来、バージョンアップを重ねてきた様々な有用な機能が盛り込まれている。ここでは、その機能の中から代表的な機能をいくつか紹介する。1. 3D全面異物検査 全面異物検査とは、文字通り基板全面の異物有無を検査する機能である。従来のAOIでは、検査したい箇所に検査枠を設定し、検査を行うという手法が一般的であるが、この全面異物検査という機能では、検査枠がない箇所の検査を行う。つまり、基板全体の余剰部品や、はんだボールなどの異物の有無を検査する機能である。 2次元情報のみでこの全面異物検査を行うのは、きわめて困難である。基板の仕上がりは1枚ごとに違うものであるし、写真2 基板検査