ブックタイトル実装技術3月号2018年特別編集版

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概要

実装技術3月号2018年特別編集版

341. 概要 海外生産では人件費高騰や品質問題を背景に、国内回帰を選択する企業が増えてきている。国内工場で生産する場合は、製造コストが重要になり人件費削減のため生産ラインの自動化が前提となる。また政府が進める働き方改革もあり、生産の効率化を進めている企業もあることと思う。 IoTやロボット技術を用いた生産の効率化は設備による部分が大きいが、はんだ付けの効率化においては、はんだ付け技術が重要でその原理を理解して今までの概念にとらわれることなく、新しい発想が必要と考えている。 ディスクリート部品は従来フローやスポットフローもしくは手はんだにより基板にはんだ付けしてきたが、リフローではんだ付けをすることで工程(工数)や人件費が削減できる。 今回紹介するディスクリートコネクタのリフロー化の基礎実験は、表面実装部品を含めて一括してリフローすることを目的として実験を行った。表面実装部品とディスクリート部品の耐熱性とはんだ付けできる温度を満すためには、治具とリフロー炉の温度設定がポイントとなる。まだ完成には至っておらず実験の途中ではあるが、治具検討の参考として頂けるのではないかと思い投稿させて頂いた。2. リフロー化のポイント ディスクリート部品のリフロー化の主なポイントは、以下の通りである。①熱の移動を考え熱の流れを制御する②治具により「断熱」「放熱」「蓄熱」を組み合わせる③リフロー炉の熱源を自由に使う(設備によりできない場合 がある)④その他 はんだ付けを考えるとき、重要なことは熱の移動である。ディスクリート部品が基板に実装された状態で、どこからどれだけの熱が移動しているのか推測する必要がある(図1)。 特にディスクリート部品のリフロー化を検討する時には、ディスクリート部品の耐熱がリフロー温度に耐えられない可能性が高く、部品の温度を低く抑えつつ、はんだ付けの端子部を加熱しなければならない。そのためには、「断熱」・「放熱」・「蓄熱」を複数組み合わせた治具が必要である。 例えば基板上のディスクリート部品(コネクタ)を箱型の治具で覆うことで、ディスクリート部品本体の温度は、最大約80℃も低下する。これはリフロー炉内の熱風や遠赤外線を遮断しており、断熱を利用したといえる(図2)。生産の効率化を目指したディスクリートコネクタのリフロー化?表面実装部品との混載による一括リフローの検討?図1 リフロー加熱中の熱の移動(概念)京都実装技術研究会 / 松原 茂樹、 実装技術アドバイザー / 河合 一男アントム(株)、 京石産業(株) / 宇根 忍