ブックタイトル実装技術3月号2018年特別編集版

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概要

実装技術3月号2018年特別編集版

15透明フレキシブル基板プリント配線板技術4とで透明性が劣ってしまう(図1)。銅箔をめっき法によりフィルムに直接形成することにより、フィルム素材自体の高い透明性を維持した(図2)。 銅張積層板の開発にあたっては、FPCの表面処理をはじめ、特殊表面処理・先端めっき技術開発メーカーである株式会社 旭電化研究所(本社:立川市)およびDKN ResearchLLC(本社:米国マサチューセッツ州)との共同開発により実現した。 ポリイミドフィルム表面に独自の光学的、化学的処理を施すことにより、フィルム上に銅箔を形成することを可能にした。フィルムと銅箔の接着強度はFPCの製造上や使用上問題ない特性を実現している。   透明FPCの特徴 今回採用したポリイミドフィルムは光透過率88%、耐熱温度は300℃であり、ポリエステルフィルム相当の高い透明性をもちながら、リフロー時の熱ストレス下でも変形しにくい特徴をもつ。写真3にリフロー温度260 ℃で処理したFPCを示す。従来のFPC同様に基材の反りや変形はなく、背景を十分透過することが分かる。 フィルム上に直接銅箔を形成することで従来のFPCと比較し、次の4つの特徴を合わせもっている。① 薄型化接着剤レス構造により従来比30%減の薄型化を実現した。FPCに求められる柔軟性がより向上した配線材料である② 信号伝送特性向上平坦なフィルム上に直接銅箔を形成することで銅箔層も平坦となり、高周波信号の表皮効果による伝送損失を抑制する構造である(図3)③ 高密度配線銅箔の薄膜形成が容易なため微細配線に有利な材料である。現在量産されている銅張積層板の銅箔厚は薄いもので9μm程度である。本材料は2μm程度の薄膜化も可能であり、沖電線(株)図2 フィルムに直接銅箔を形成したFPC断面 図3 表皮効果による高速伝送損失の概略モデル図1 フィルムに接着剤で銅箔を貼ったFPC断面写真3 リフロー後のFPCの状態。左が従来のFPC、右が透明FPC