ブックタイトル実装技術11月号2017年特別編集版

ページ
22/34

このページは 実装技術11月号2017年特別編集版 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

実装技術11月号2017年特別編集版

321. はじめに 電子機器においてプリント基板は部品を実装し配線で繋ぐという重要な役割をもっている。 基板には回路図には見えないが、実際には配線や実装による種々の影響で回路の動作に影響を与える要素が多く存在する。そのために、電源や高周波回路などでは基板の出来具合が回路の性能に及ぼす影響がどんどん大きくなってきている。 またいっぽうで、最近では電子機器の小型化やモバイル機器の増加により高密度な配線・実装や多層化が進んできている。さらに、基板に回路部品を埋め込む技術なども進んできている。  本稿では、現行の多層ビルドアップ基板やフレキシブル回路基板(FPC)における量産工程技術の改善と今後の高精細化に対応できる製造技術について考えてみる。2. ドライプロセスで改良が行える工程 製造面から考えると、配線基板は電気部品と異なり「回路図では見えない」部分だが、機器の性能や量産品の製造品位を左右する重要な部材である。 製造工法には大きく分けて2 種類の方法があり、一つはドライ工法で、もう一つはウエット工法である。ドライ工法は溶液などを用いずに基板を乾いた状態で処理を行う工法で、ウエット工法はそれに対して溶液などを用いてぬれた状態で処理を行う工法である。 ドライプロセスは次工程にウエットでもドライでも乾燥工程を介せずに繋げられるという大きな利点があり、またプロセス自体も高精細な対象物を処理できるため、これをうまく用いることで、製造工程の改良や高精細基板製造などを行うことができる。 では、プリント基板(リジッド基板とFPC)においてドライプロセスを利用すると利益が得られる工程にはどのようなところがあるのであろうか。 代表的な改良手法を以下にまとめた。①基板パターン作成時におけるDFR(フォトマスク)除去工程 でのスカム(形成された配線パターンの際に除去しきれな いDFRが残渣として残留)処理(デスカム)②多層ビルドアップ基板製造におけるビア配線製造工程での レーザによる穴あけ後の基材残渣除去(特に炭酸ガスレー ザ)と染み出し接着剤/焼成炭化物の除去(デスミア)③FPC基板製造時におけるのビア配線製造工程でのレーザプラズマドライプロセスを利用したプリント配線基板の性能と製造工程の改善図1 サブトラクテブ工法の大まかな流れ(※簡略図のため、めっきに関しては省略)Pink Japan(株) / 相子 和也