ブックタイトル実装技術10月号2017年特別編集版

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概要

実装技術10月号2017年特別編集版

29世界の電子回路板用材料業界の動向電子部品が1943年に「雁行形態論」として提唱したものである。その形態の過程をみていくと、輸入→国内生産→輸出→逆輸入と時間とともに辿っていくことになる。繊維産業しかり、鉄鋼産業もしかり、遂に電機産業もそのような動きとなってきた。 グローバル市場で伸びているスマートフォン市場は、日系企業は残念なことに国内のわずか4,000 万台の市場のみを相手にしているため大量生産となっていないのも低迷の理由の一つでもある。 経済環境の変化に伴って電子機器も市場のある場所で生産する“Made in Market”が進展し、今やASEAN諸国、中国などでの生産へとシフトしているのが現状である。 さて、電子回路基板の生産金額に目を向けると国別の割合は図2に示すように2015 年度でみると、中国 > 台湾 > 韓国 > 日本 > 他のアジア> アメリカ > 欧州の順となっている。日本の国内生産金額は2005 ~2012 年までは世界第2 位に位置付けられていたが、台湾、韓国の追い上げもあり、さらに海外生産へシフトしたこともあり、2013 ~2015 年の日本の国内生産額は残念ながら世界で第4位の位置付けにある1)~2)。 このように電子回路基板の生産国の比重が変わってきている。背景には、電子回路基板が使用される電子機器の生産場所が変わってきているためでもある。そのため市場動向によって電子回路基板用材料の生産国も変化をきたしているものと想定して、その実態を明らかにしようとするものである。   電子回路板用材料の   グレード 実態を明らかにするために調査の対象としたのは電子回路板用として使用される材料として銅張積層板、フレキシブル銅張積層板、金属銅張積層板、ビルドアップ用層間絶縁材料などを対象にし、回路を形成するために使用されるドライフィルム、回路板にコーティングされるソルダーレジストなどは対象にはしていない。 これらの材料で規格化されて標準化されたグレードがあるので、まず、グレードの誕生の生い立ちを含めて紹介する。1. NEMA規格 積層板の規格が制定されたのは表1に示すように米国のNEMA( National Electrical Manufacturers Association)が1927年にNEMA Handbook of Supply Standardsを作成したのがルーツとなっており、時代の要望に応じてグレードが追加されていった。特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部2表1 NEMA協会及びNEMA LI 1規格の歩み