ブックタイトル実装技術9月号2017年特別編集版

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概要

実装技術9月号2017年特別編集版

381. はじめに~みる視点について 今回から改善活動や品質活動に関する話しを進めていく。これまでに掲載してきた不定期シリーズでは、特にフロー工程を題材とし、改善する為のテクニックや事例を説明してきた。 たしかに改善事例や品質向上のテクニックは、自社内での活動の役に立つ部分も多くあったと報告をいただき、筆者としても嬉しい限りである。 しかし、改善活動や品質活動の「そもそも」の成り立ちや活用法を理解しないまま各活動を行う事は、間違った方向に活動が進んだり、活動の途中で目的を見失う事につがったりしてしまうため、非常に危うい行為であるといえる。 そこで改善活動や品質活動の「そもそも」の成り立ちを理解していただくと共に、企業における改善活動や品質活動の本来の目的を再確認していただくために本シリーズを執筆することとした。 まずはじめに、不良改善の前に必要な「基本的な心構え」について解説していく。 筆者はいつもセミナーなどで、「入口を間違えると出口が見つからなくなる」という話をしているのだが、入口となる基本はやはり非常に重要なものである。 たとえば部屋の電気をつけるためにはスイッチをオンにすればいい。そんなことは誰もが分かっていると思うがしかしこんな経験はないだろうか。「電気のスイッチをオンにすれば明るくなる」ことは分かっているのだが、めて訪れた部屋(友人の家やホテルなど)であるため、スイッチそのものがどこにあるのかわからない、ということである。 このような経験は、誰もが一度は経験していると思うが、これと同じように、ノウハウやテクニックというのはつまり電気のスイッチなのである。2. 視点について 図1 のように、単純に「みる」といっても、様々な「みる」が存在するが、これは「みる」姿勢によって該当する漢字(感じ)が変わるからである。このことは、漢字を使用する日本や中国などの国だけの話ではなく、世界のあらゆる言語において「みる」という単語は多数存在するのである。 鑑定士という仕事は古びた壺や絵画などの真贋を見きわめ、そのものの価値を判定する人及び仕事である。私たちのように古き良きものに対して真贋を見きわめることができるような鑑定眼をもっていない人間の場合は、その壺や絵画が「本当に良いものか悪いものか?」はわからない。 なぜ分からないのかというと、それら対象物を判断する「見方」を知らないからである。改善活動と品質活動の成り立ちと活用法①~心構え、マインドセット~図1 視点について(一社)実装技術信頼性審査協会、STC ソルダリング テクノロジ センター / 佐竹 正宏