ブックタイトル実装技術9月号2017年特別編集版

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概要

実装技術9月号2017年特別編集版

33超高齢社会である。その状況下で、2035年には介護者が68万人不足すると見込まれ、介護ロボット活用が急務となっている。当誌では、各種介護ロボットの機器の仕組み、実装技術に関する内容を掲載した。2. モビリティー モビリティーでは、注目されている自動車の安全運転支援システムおよび自動運転システムを取り上げた。安全運転支援システムに加え、他車/歩行者/周辺環境/インフラおよびダイナミックマップなどの外部データベースを元に、運転主体である車両システムが責任を持つ自動走行システムとその必要技術について述べた。 安全運転支援、自動走行システムにかかわる実装技術として、(1)前方障害物衝突回避、(2)車線維持、(3)追従走行、(4)死角検知、などの機能につき、①レーザレーダ、②車載カメラ、③ミリ波レーダの三つのセンサを用いたシステム実装例、特徴を示した。また、車載ディスプレイ(フルグラフィックメーターなど)では最新のプロセッサが使われるケースがあり、その市場動向、技術動向と課題に加え、実装技術を解説した(図2)。 車載電子ユニットの実装面での特徴として、車室内以外の厳しい環境下(高温、高湿、水滴、塵、振動、衝撃など)かつ限定されたスペース制約のための小型、軽量化、高放熱性、大電流容量、耐EMI 性などがある。また、エンジンルーム内・外に搭載される電子機器ユニットの製品仕様、実装仕様の動向、半導体デバイス、電子部品、プリント配線板への要求についてもまとめた。3. 新技術・新材料・新市場 (1)サーマルマネジメント 電気機器の省エネルギー化に大きく貢献できるキーデバイスである、パワー半導体の市場が急拡大している。パワー半導体は、主にコンバータやインバータといった電力変換器の電力制御に利用図4 CNTの応用分野と用途図3 パワーデバイスの放熱構造される。特に、SiC、GaNを中心とするワイドバンドギャップパワー半導体は200℃を超える高温で使用されるため、サーマルマネジメントが重要となる(図3)。 パワー半導体に関する実装技術、放熱技術、材料技術に関して、特許調査、ECTC(Electronic Components andTechnology Conference)を中心とする学会調査を行い、技術動向、技術課題について事例をあげながら解説した。(2)ナノカーボン材料 フラーレン、CNT(Carbon Nano Tube)、グラフェンに代表されるナノカーボン材料は、非常に軽量・高強度で構造部材への応用、高電気伝導率かつ高熱伝導率で導電材料や放熱部材への応用、電子移動度が高く高速トランジスタへの応用など、多くの用途で期待されている(図4)。利用価値が高い単層CNTの研究開発、実用化では日本が世界のトップクラスである。CNTは従来、量産化、低コスト化が困難で実用化が進んでいなかったが、最近はかなり改良され、産業利用の機運が高まっている。①片面放熱 ②両面放熱 ③直接水冷片面放熱