ブックタイトル実装技術9月号2017年特別編集版

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概要

実装技術9月号2017年特別編集版

23最新部品搭載技術 ~リワーク編~部品搭載技術   部品自動搭載 リワークプロセスにおいて、部品搭載時の基板と部品の「位置合わせ」作業がもっとも難易度の高い作業の一つであると感じているお客様が多く、作業の簡素化がリワークメーカーの重要課題であった。 生産実装プロセスでは、マウンタ(実装機)が画像計測システムを用い、高速かつ正確に部品を搭載するが、リワーク装置ではプリズムを使用し、モニタに表示させた「カメラ映像」を用いて、部品バンプ部と基板ランドパターンを重ねて映し出し、作業者がその映像を見ながらX、Y、Z、θの軸を調整し、位置合わせを行う方法が一般的に採用されている。 近年の部品および基板パターンは様々な理由から複雑化しており、バンプ部とランド部の境界を識別することが困難な傾向にあり、「位置合わせ」作業は目視に因る確認が主体となるため、作業者のスキルにほぼ依存している現状がある。リワーク装置で、この位置合わせ作業を簡単に誰でもできるようにならないか、との要望は長年のテーマであった。 解決策として、マウンタで採用されている「画像計測システム」を採用することが考えられるが、実現するためには、システムやそれらを動かすためのハードウエアが必要となり、結果的に装置の価格が非常に高額になるため、具現化できなかった歴史がある。 その経験を踏まえ、低コストでリワーク装置の自動搭載を実現するために、『MS9000SE』は開発当初から自動化を見据えXYZを電動化し、また操作インタフェースは従来のタッチパネルに加え、PCを搭載したモデルも同時に開発した(図2)。 PC搭載モデルにて部品自動搭載に必要な独自画像計測システムとカメラを低コストで採用し、自動搭載の性能を有する『MS9000SE自動版』として、従来では考えられなかった安価製品の開発に成功した。 リワーク作業は対象部品が定まっていないため、一部品ごとの作業数量は未知であり、1 個の場合もあれば数百~数万個の場合もある。 また修理用途が主であることから計画的に発生するより、突如的に発生するケースが多いため、リワーク装置には、簡単かつ即座に「温度条件」が作成できることを要求される。自動版では加えて、簡単かつ即座に「搭載データ」と「加熱データ」を作成できることが必須である。 『MS9000SE』では、温度条件作成にITTSⅡオートプロファイルシステムを標準で搭載している。このシステムは1回の加熱でプロファイルの作成が完了できる画期的なシステムである。搭載データ作成はウィザード方式となっており、基板の搭載位置、部品のピックアップ位置はティーチングにて記憶させる。画像計測データは部品のバンプ及び基板ランド部の一部を特徴点(計測基準)として選択することで自動調整され登録する。 ウィザードに沿って、これらのデータを作成し、温度プロファイルを組み合わすことで、自動搭載のデータが簡単に完成する(図3)。 搭載データは約10~15 分で作成可能である。また部品情報や搭載側の基板情報類は一切不要で、現物によりデータの作成が可能である。 温度プロファイルと搭載データが完成すれば、[取外し]か[取付け]をUIのスイッチで選択し、[スタート]ボタンを押すだけで装置が自動的に取外し、取付けのリワーク作業を行う。メイショウ(株)2図3(ウィザード)画像計測基準点設定(ウィザード)搭載位置設定図2自動モード選択SW、マウント(取付)/リムーブ(取外)切換SW