ブックタイトル実装技術7月号2017年特別編集版

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概要

実装技術7月号2017年特別編集版

23熱設計における熱流体解析技術設計・解析・シミュレーション   熱経路可視化ツール   『HeatPathView』 熱設計PACにおいてさらに特徴的なのは、熱経路を可視化することができる『HeatPathView』を搭載していることである。 一般的に設計現場では、飽和状態となった温度分布や流速分布を求められることが多い。しかし、この結果は瞬時値であり、熱源から発生した熱がどのような経路をたどったかということまでは把握することができない。 飽和状態の温度分布・流速分布を用いた場合、問題個所(たとえば熱溜まり)が見つかったとしても該当個所を冷却するための対策しか検討がつかないが、熱の通り道を把握することでボトルネックとなっている要因を容易に把握することができ、より熱対策の幅が広がるといえる。 図2にHeatPathViewを用いた携帯電話における熱経路の可視化画像を示す。矢印の向きは熱移動の方向、矢印の太さは熱移動量の大きさを意味している。全体熱経路図を見ることで設計者は部品から発生した熱がどのように放熱されているか、意図した放熱経路によって放熱が行われているか確認することができる。また、耐熱温度の低い部品がどの部品から熱を受けているか確認することもできる。 ここで、主発熱源であるバッテリから発生した熱の放熱経路に着目してみる。主熱経路の抽出機能により、バッテリかたの放熱経路が表示される(図3)横軸は放熱経路上の部品、折れ線グラフは部品温度を、棒グラフは熱抵抗を示している。 熱設計の基本に立ち戻れば、温度を下げるために必要なことは熱経路上の主要な熱抵抗を下げることである。ここではlower_cover_02と流体領域(対流熱伝達)がボトルネックになっていることがわかる。 このように、熱の流れを可視化することで、製品内部の熱移動を把握することができるため、直接、解析結果から熱対策や熱設計に有効なアイデアにつながる知見を得ることが可能となる。(株)ソフトウェアクレイドル3図3 バッテリ部品からの放熱経路とボトルネック図2 携帯電話の全体熱経路図