ブックタイトル実装技術7月号2017年特別編集版

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概要

実装技術7月号2017年特別編集版

16設計・解析・シミュレーション 1  はじめに 今までなかなか解けなかった課題に、A(I ArtificialIntelligence : 人工知能)を適用しようとする動きがさかんである。大量のデータがあればそこから特徴量を抽出できるようになってきた。 従来の演繹的なアプローチから、帰納的なアプローチへの転換である。そこには大量のデータが鍵となる。適切にセンシングしたデータを大量に用意できると可能性が拡がる。 センサも様々なものが生み出されてきており、センシングできるものも多種になってきた。それを支えるセンサデバイスは、必ずしもデジタル技術だけではなく、アナログ技術との組み合わせが重要になってきた。 「デジタル大量生産」から「アナログ込みの少量多品種/モジュール」へ時代が変わりつつある。そこでは、カメラ機能の高度化による差別化や、電源機能強化による長時間駆動機能の実現など、多様なニーズへの即応性が必要となっている。その実現性は、アナログセンサ、アクチュエータ、給電、無線方式、デジタルのそれぞれが多種多様の組み合わせを保ち、かつ、すり合わせによる。しかもソフトウェアだけでは対応できない多様性が生まれてきているため、一層のハードウェアの地位向上が望まれている。 たとえば部品内蔵技術は、これらの機能・要素を基板内に取り込み最小限の大きさで実現できる実装技術であり、まさに活躍の場は、IoTエッジデバイスでの部品内蔵モジュールとして拡がってきている。 いっぽうで市場の要求は、気の利いた我々の生活を豊かにしてくれるコトを実現できるモノを、市場にタイムリーに供給できることが重要になっており、電子機器製造企業は、これらニーズへ的確な対応が必要となっている。すりあわせ技術による複雑な「モノ」、を品質担保して、いち早く製品化することが求められており、設計部門での解析活用はもとより、製造部門との今までとはギアを上げた密連携も必至になる。 DfX=Design for X(XにはManufacturing/Testing等が入る)に真剣に取り組まなければならない。ただ、その実現にはまだまだ課題も多い。設計段階でいかに製造段階での課題を理解し、設計に織り込めるかが勝負である。   市場ニーズと課題 従来、設計は設計部署の中で、生産は生産現場の中で閉じて、それぞれに進化を遂げてきた。作業効率向上を志向してきた結果、各部署内最適化が行われ、その部分ではこれ以上できないほど効率化が実現されてきた。 いっぽうでその枠を超えた取り組みは考えもしなくなり、自分の部門の利益にならないことには興味がなくなっている。コストにドライブされた分業の悪しき結果である。部品内蔵基板のように複雑なものを上手に創るには、部署を超えた取り組みが必要になっていることに気づき始めているが、現場は忙しく、それをドライブできずにいる。 以下、生産現場の中でも、テストにフォーカスして、CADと各種検査装置間で現状できていることと、今後の高密度基板におけるDfT(Design for Testing)の方向性を述べる。 まず、CADと各種検査装置間で現状できていることを述べる。インサーキットテストに対しては、CADよりネットリストに部品の極性や定数を埋め込んだ情報を出力したり、テストポイントの位置情報を受け渡したりと、いわゆるシステム間接続の省力化や自動化に取り組んできた。CAD設計情報とリンクさせたデバッグ箇所の表示ツールが有効である。CADではテストポイント設計や編集のための様々な機能が開発されてきている。例として部品内蔵基板向けの検査データ出力機能を図1に示す。ここではテストポイントの情報と部品検査情報から内蔵された部品の検査データを生成している。 また、出力した検査データの各ステップに対して、検査時に使用する各テストポイント間の回路図を生成する機能もリリースされている。テストポイント間の部品接続情報を参照することで検査データのデバッグを効率化することが可能になる。図2に例を示す。 しかしながら、BGA/CSP搭載基板や部品内蔵基板のようDfT(Design for Testing)実現に向けたEDAの取り組み(株)図研 / 松澤 浩彦2