ブックタイトル実装技術3月号2017年特別編集版

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概要

実装技術3月号2017年特別編集版

39受験するのに、その大学は工学部でありながら、入学試験に珍しく英語のリスニングのテストが課せられていたため、英会話を吹き込んだソノシートを購入して一生懸命聴いて受験勉強をした。 これは、『大学受験ラジオ講座<英語>』(1952?1995年)、『百万人の英語』(1958?1992 年)などで活躍したJ.B. スミス氏の声で吹き込んだ赤いソノシートであった。受験までの間、耳にタコができるほど何度も聴いた。英語を勉強したのは、この受験のためぐらいであった。もともとあまり好きな科目ではなく、なんとなく毛嫌いしていた感じがする。 そして大学に入学すると、あるクラブが海外遠征に行く計画があってすごく憧れ、海外に行きたいと思ったが、その当時、語学には自信がなく、とうとう果たせないままとなった。 ところが不思議な縁で、4年生の時、半年後に卒業をひかえていた時に、友人が突然、英会話を勉強し始めた。一緒に山登りをしていた友人である。 友人の担当教授は留学経験があり、その教授の影響を受けて、将来、「英語」は必須のツールになるとの信念で卒業間近に英会話の勉強を開始したのである。 勉強するために、その教授宅に訪問してリンガフォンの英会話教材を録音テープに吹き込み、このテープを繰り返し聴くとともに、簡単なフレーズやイディオムなどを暗記するように努力していた。すごい執念だと思った。 友人は簡単な言い回しを覚え、それを試すべく、街に外人が来ると度胸試しに外人を捕まえて通じるかを確認しはじめたのである。当時、北九州市に住んでいたため、八幡製鉄(現:新日鉄住金)に石炭などを荷揚げするために多くの外国船籍の大形船が入港すると多くの外人船員が戸畑の街を歩いていた。当時の新聞には入港する船の予定も報道されていたので、友人は入港日に合わせて街に繰り出し、外人を捕まえて自分の英語が通じるかを確認していた。 筆者も友人の影響を受けて英会話の勉強も必要かと思いはじめていた。ある時、友人から突然、下宿先に「至急、街に出てくるように」との電話がかかってきた。「南アフリカ人の船員と親しく話せることができそうだ!」との連絡で駆けつける。そうすると3 人の南アフリカ人がバーで座っていた。 南アフリカ人と話したいと思って3人の間に入る必要があり、“Would you mind changing the seat in order totalk with you ?”と長たらしい文章を頭の中で考えて、たどたしい英語で確認したら、“Sure !“と言って席を代わってくれたのである。 この時ほど、英語が通じたことで感激したことはない。以降、イディオムなどを覚えるようになり、英会話の勉強に拍車がかかった。興味をもつと不思議と苦にならなかった。 そして半年後には企業に入り新入社員となった。驚いたことに多くの新入社員が英会話学校に通って勉強していることを知り、英会話の重要性を思い知らされた。 また、独身寮には、各階ごとに面倒をみてくれる先輩社員(チューター)がいて、たまたま先輩社員が海外ビジネスを担当していたため、時折、欧州出張の話しなどが聞け、その活躍ぶりを聞いてすごいなと思った。 研修期間終了後は化学材料事業部に配属されたが、配属された事業部でも米国に出張した結果の報告会が講堂で実施され、その報告を聞いてさらに、英会話の必要性を感じた。 しばらくすると“樹脂”“ガラスクロス”“銅箔”の売り込みで欧米人が工場に訪問して来るようになった。そして欧米の進んだ技術を知ることになり、英会話の必要性が迫られるといった感じとなった。 友人が英語は必須のツールになると予想したのは、まさにその通りであった。そんな関係で英会話の勉強をこつこつとするようになり、進んで海外出張もするようになった。そして幸運なことに多くの海外の人と面識となり、ネットワークが広がった。 筆者は、一つの日本企業に定年まで在職し、定年後に米国系とヨーロッパ系のそれぞれの外資企業での勤務も経験した。欧米の外資企業での経験は、永く日本企業で勤務した時以上の異なったことを体験した。 欧米企業では、異なる国籍の様々な人と業務をこなす必要があり、当然ながら英語が共通語で、メール、会議などはすべて英語によるコミュニケーションとなる。国籍によっては考え方やアプローチの仕方などの違いもあり、はじめの頃は会議などでの打ち合わせでは時として戸惑うような場面に直面したこともあった。文化的背景も知った上で対応するとそれ以降は問題なくこなせるようになった。3. 累積年間200時間への挑戦 さて、英語を勉強するようになって、いろいろと試すようになった。英語漬けにすればなんとかなるのではないかと思った。できるだけ英語にふれるために英会話の本を読んだり、英語の音楽を聴いたり、さらに洋画を鑑賞する場合には、なるだけ字幕を見ないようにして、聴き取るように努力してリスニングの強化に努め、様々な方法を試してみた1)。 英語を意識して耳で聴くようにした時間数を累積して記録するようにもした。たとえば英語の音楽/映画、FENニュース、英語の短波放送、ラジオ英会話等を聴いた時間を累積し