ブックタイトル実装技術1月号2017年特別編集版
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実装技術1月号2017年特別編集版
36はんだ関連技術 1 はじめに 最近の電力半導体を代表する、IPM(インテリジェント・パワー・モジュール)の進化は、スイッチング特性の改善やON抵抗の低減などから省電力化が進み、そのいっぽうで、フリーホイールダイオードは従来のSi製のFRDからSiC製やGa2O3などワイドバンドギャップ半導体を用いた高速・低消費電力製品に移行することでスイッチングロス及びコンダクティングロスともに大幅な低減が行われてきている。その結果、回路の小型実装が可能となり、IPMも小型で大電流密度に移行してきている。 この市場要求に併せ、パッケージへも要求される仕様も厳しくなり、薄型構造のAlN基板への置き換えが進み、IPM構造においては外部端子のパワー基板からの取り出し方法がバスバーを用いた端子を直接パワー基板にはんだ付けされる構造へと進化している。これらの最新のIPM技術における構造では、ワイヤボンディングの使用箇所の減少に従い、逆にワイヤボンディングや、ダイアタッチなどの接合技術に対しても高信頼性・高はんだ付け性(低接続抵抗、低ボイド化)など特性の向上が要求されてきている(写真1)。 そこで、本稿では高品質で最適なダイアタッチに必要な要素技術と共にそれを可能にしたVADUシリーズを用いた量産対応可能なアプリケーションを紹介する。 高品質はんだ付けに 必要な要素1. はんだ付けの標準規格 はんだ付け加工においては、IPC/JEDEC規格に準拠したプロセスが世界的に標準とされている。図1 のとおり、温度条件は使用するはんだ材により異なるが、鉛フリーでは、平均温度上昇レート(TSmax→ tp)が3℃ /sec、平均降下温度レートが6 ℃ /sec、全体の加工時間が最大で8分までと定められている。これら時間に沿った温度管理がはんだリフロー装置には求められる。 最近は、ハイブリッド、EVに代表する車載系に用いられるパワー半導体も増大しており、これまで以上に製品およびその高品質はんだ処理/VADUシステムピンク・ジャパン(株) / 相子 和也、 五百井 理文2図1 IPC/JEDEC(J-STD-020 : リフロー温度プロファイル)写真1 (左)IPMイメージ、(右)AIN 基板製品イメージ