ブックタイトル実装技術12月号2016年特別編集版

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概要

実装技術12月号2016年特別編集版

45また、銅の導電率の向上に合金組成を検討し、図4のように約2.6μΩ・cmという金と比べてほとんど劣らない性能を実現している。 パワーデバイス用には、耐熱性の良いアルミニウム線が使われることが多いが、田中貴金属の線は、結晶粒を微細化し、加工方法を改善することにより、再結晶温度が高く、300℃の高温放置試験でもシェア強度が劣化しないし、機械的強度も従来品に比べて80%向上している。PTC(プレッシャークッカーテスト)1000 時間でも腐食が起こらないから素晴らしい。電導率は2.8μΩ・cmと良好である。3. めっき材料と装置 2~8インチの半導体ウエハ用のカップ式超小型めっき装置を開発した。対応可能なめっき液は、金、銀、パラジウム、銅、ニッケルや、合金、鉛フリータイプなど幅広く対応して、めっき液は10リッター以下、めっき膜厚の均一性や気泡除去、深いビアへの埋め込み性に優れている。この装置は小型なので、量産用だけでなく研究開発用にも使われている。その他のめっき装置としては、300mmウエハ用、バンプ用、CSP(Chip Size Package)、Via、MEMS用なども揃えている。 めっき液としては、金めっき、銀めっき、白金めっきなどを揃えている。〇有機半導体へのめっきによる電極 東京大学の竹谷純一教授と共同で、P型、N型の両方に一度で電極を形成できるめっき法を開発した。図5 左のようなトップコンタクトOFET(Organic Field Effect Transistor)で、ドレインとソースの電極を形成するため、銀ナノ粒子を含有した触媒溶液を塗布し、無電解金めっき液に浸漬することで金をコーティングし、銀粒子の間を金で埋める。図5右のように、金からP型半導体へ正孔が注入され、銀からN型半導体へ電子が注入され、低抵抗コンタクトが形成できる。有機半導体も塗布型であり、全工程が真空不要、高熱処理も不要な大気中での生産可能な安価なプロセスなので、プリンテッドエレクトロニクス用のトランジスタとして期待される。キャリア移動度は、P型が9cm2/Vsecとすばらしい値で、N 型が0.1cm2/Vsecで、もうひと息、というところである。現在、NEDOプログラムの一環で「温度センシン図3 半導体のワイアボンディングの説明 グ機能付きのRFIDタグ」の開発を行っている。図5 P型、N型有機半導体へのめっきによる電極図2 金粒子接続を用いたLEDモジュールの断面図4 改善した銅線と金線の電気抵抗値