ブックタイトル実装技術11月号2016年特別編集版

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概要

実装技術11月号2016年特別編集版

381. はじめに 今月も先月の続きで、展示会などで聞いた情報をもとに農業の革新に努力している企業を紹介する。植物工場などの技術や実例を紹介した後、日本の農業が世界と競争力を持つためには、大規模農業が必須であるが、その問題を考えてみたい。2. 植物工場の発展 一般には、植物工場といえば、ビルの中の大部屋や、運動場ぐらいの土地に建屋を建て、企業活動している場合を指している。人工光を利用した植物工場は、初期の投資は数千万円?数億円といわれ、露地物に比べて割高になっているが、新鮮野菜が計画的に出荷できるので、図1 のように、年々数が増えている。 従来のビニールハウスは全国に数多いのでこれを利用して、その中を植物の生育を促進する雰囲気に変えて植物工場にするのが有望だと思われるが、あまり例を聞かない。たとえば、図2のようなコントローラを導入することも考えられる。一般に植物工場では水耕栽培が多いが、ビニールハウスの場合は土の上で生育するので土作りが重要であり、イワタニアグリグリーン社は用土の作成機を展示していた。1. 植物工場の実例(1)半導体工場転じて野菜工場へ 富士通が古い半導体工場をレタス工場に転換して数年経ったが、今回の展示会にブースを出されていた。カリウムが少ないレタスを1日2000?3000 株作っており、カリウムの摂取が制限されている人に供給して喜ばれている。半導体のクリーンルームを利用しているので非常に清潔であるが、空調の電気代などがかかり、市価の3倍程度のコストになっている。カリウムは、窒素、リン酸、カリといわれる肥料の3要素だが、カリウムを含まなくても育つ肥料を開発した。 その他の植物工場の例を以下に挙げる。●東芝はフロッピーディスクの工場を野菜工場に変えて、植物 工場に関する経験を積んだ。●(株)みらいは、元ソニー仙台テクノロジーセンターのクリー ンルーム内にLED 照明で、1日1 万株のレタスを栽培して いる。海外への展開にも取り組むらしい。●グランパ社は、太陽光利用のドーム型植物工場を約50棟 もって、ビジネスが軌道に載っているようである。厚木エレクトロニクス / 加藤 俊夫きらりと光る優良企業農業の革新に努力する企業群(後編)図1 人工光で栽培する植物工場件数図2 (株)イワキの、PH、電導度、水温コントローラ・システム