ブックタイトル実装技術8月号2016年特別編集版

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概要

実装技術8月号2016年特別編集版

39繰り返して、横方向のエッチングを防ぎながら深くエッチングする。Si のエッチングではF 系のガスが用いられるが、これにC 系のガスを混ぜるとCF の化合物(テフロンと同じような高分子となり、エッチングの耐性が優れている)が形成される。当然、側壁は図2のような層状の凸凹(スキャロップと呼ばれる)ができるが、絶縁膜をCVDで付着して平坦にすることが可能である。3. 犠牲層エッチング SiO2やポリシリコンの層の上に金属やSiNなどを被せて、下地のSiO2やポリシリコンをエッチングして中空の構造を作るプロセスを犠牲層エッチングと呼んでいる。図3にプロセスを説明し、加工した写真を示す。ウエットエッチングでも加工できるが、メムスコアではガスエッチングにより、極小ギャップの微小構造体を形成し、内面を撥水性コーティングする技術を開発している。図3右は、加速度センサ写真と原理を示したものであるが、櫛歯構造が中空に浮いているので、加速度を受けると移動し、その移動の値から加速度を知るわけである。4. 厚膜レジスト LSI 用のフォトレジストの厚さは数百nm( 微細LSIでは数十nm)であるが、MEMSの場合はμmのオーダーであり、時には100μm の厚膜が用いられる。スピンナによる回転塗布とは限らず、薄膜フォトレジストをウエハに張り付ける方法もある。これだけフォトレジストが厚いと、上面と下面をともに焦点を結ぶ焦点深度の大きい露光機が必要になる。図4は、大きな段差を跨いだ配線の例である。厚膜レジストは、エッチングのマスク用だけでなく、厚いめっきのマスクや、レジスト自身が構造体として使われる場合もある。図4 犠牲層ドライエッチング技術で段差をまたいだ配線図3 犠牲層エッチングの原理図と加速度センサの写真図2 ボッシュエッチング(側壁保護膜を用いた深堀エッチング)構造体のスティッキングを防止する撥水性コーティングを連続して処理することも可能である(段差300μm、100umL/S)