ブックタイトル実装技術6月号2016年特別編集版

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概要

実装技術6月号2016年特別編集版

641. はじめに 年間1 兆個のセンサを使用する社会「Trillion SensorsUniverse」が始動した1)。 これは現在のセンサ需要の100倍、世界70億人が年間約150 個ずつ使う世界、である。提唱者Janusz Bryzek 氏によれば、非連続に増大したセンサは、2033 年までに供給が需要を上回るAbundance(潤沢な世界)を生みだす(図1)、そして医療/ ヘルスケアの向上、飢えを解消する食糧生産、清潔な飲用水・大気汚染防止、クリーンエネルギーの確立などの「地球規模の課題の解決」に導くという。しかもそれは単なる慈善事業でなく、センサ、ネットワーク、解析、セキュリティ、サービス分野を中心に、莫大な市場・ビジネスチャンスを生み(たとえば2018 年までの世界市場、センサシステム700億円、サービス事業 2,900 億円:$100 円換算)、世界中でこれまでにないほどの雇用を創出する(5,500 万件の雇用)、といった構想である。 そこで本稿では、この始動したてのトリリオン(一兆個)センサについて、●トリリオンセンサとは? (内容と利益、未来像)●トリリオンセンサを拓くセンサ技術基盤と活用先●トリリオンセンサの動向 (Trillion Sensors Summit 2015紹介)●現場の見えない、の可視化技術 (当グループの取り組み)の観点から、紹介する。2.トリリオンセンサが拓く未来(図1b) 年間1兆個のセンサを使用し何をするのか。ネットでつなぐIoT(Internet of Things)、IoE(Internet of Everything)を交えた観点から、トリリオンセンサが拓く未来について私見を交えて概観したのが、下記の整理である。国立研究開発法人 産業技術総合研究所 / 寺崎 正実装コミュニケーショントリリオン(一兆個)センサの動向図1 トリリオンセンサの世界(a)年間に使用するセンサ数の推移予想(TSensor Roadmap)1)、(b)トリリオンセンサ、IoT(ネットで繋がる)が拓く未来