ブックタイトル実装技術5月号2016年特別編集版

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概要

実装技術5月号2016年特別編集版

これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第62回 高速データ転送技術1. 日本の遅れ データセンターでは、飛躍的に増えるデータ量とデータアクセスに対して、常に高速化と大容量化を要求されています。新規データセンターの建設と同時に、数年ごとにデータセンターの内部設備を一新して行くのは、設備の世代が変わるたびに飛躍的なデータ容量の増加とアクセス速度の向上が見込めるからです。 データ容量の増加とアクセス速度の向上を実現するために、毎年のように新しい技術、製品が発表され続けています。 このようなシステム分野での発表の場の一つがDesignConで、他にもIC 分野でのカンファレンス、通信分野でのカンファレンス、パッケージや材料分野でのIMAPS、カンファレンスや学会など、いくつかの発表の場があります。 また、IntelやARM、AMD などのIC ベンダでは、独自のプライベートコンファレンスを開催して、新製品の性能や技術について発表もしています。残念ながら、日本ではこれらの高速信号伝送に関する最先端技術会議は非常に限られています。 部品レベルでは日本のメーカーも非常に優れた技術、製品を発表していますが、システムレベルではやはりアメリカの総合力は数歩、先を行っている感がします。2. ビッグデータ 多くのIoT 装置では、多くのセンサーやカメラが弥山技術を使って、データをセンターへ送信します。 センターでは、無数のIoT装置から収集した大量のデータ(ビッグデータ)をビッグデータ用の検索、処理ソフトを使って処理します。 最近、コンピュータでは勝てないといわれていた囲碁ソフトが人間のチャンピオンに勝った、と話題になりました(図1)。 チェスや将棋に比べ、石を置く盤面が格段に大きい囲碁では、これまでのチェスや将棋ソフトにように、すべての差し手をシミュレートして、最適な手を指すアルゴリズムでは、場合の数が多すぎて現在のCPUではメモリや計算スピードが不足しています。このため、コンピュータが囲碁で人間に勝つためには、あと10 年はかかると言われていました。 グーグルの「Alpha Go」では、すべての場合をシミュレーションするのではなく、膨大な盤面や差し手をビッグデータとして蓄積しました。その上で、データ検索技術を使って、現在の盤面と似たデータをいろいろと検索し、そこから最適と思われる次の一手を選択します。 ビッグデータ処理では、このようなビッグデータから、ある程度曖昧な条件で、似たデータを抽出し、これらのデータの関連から要求される最適な解を出力する機能が求められます。 これはグーグルだけではなく、IBMでは「ワトソン」と呼ばれるソフトがあり、アップルやマイクロソフトなど、多くの企業が研究、開発しています。 IoT装置から集めた膨大なデータ、このビッグデータを処理するソフト子開発が進むなか、このビッグデータを工作でアクセスし、処理し、ソフトを走らせるためのコンピュータ装図2 ビッグデータの処理表1 イーサネットのロードマップ図1 囲碁に勝ったコンピュータ(Google)52