ブックタイトル実装技術12月号2015年特別編集版

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概要

実装技術12月号2015年特別編集版

253次元LSI技術とその展望半導体実装がどのようなターゲットアプリケーションを実現するか、3 次元化で何をメリットとして見出すかによって作り方が変わる。このようなお客様の要求に応えるべく、現在は各種の構造を仮定して、種々の要素技術、サイズや埋め込み導電体材料の異なるTSV/バンプ形成技術、各種の接合技術を用意してきた。図1にTSV構造の例を示す。   3次元LSIのアプリケーション 3次元LSIは、小型化、高速化、多機能化、異種デバイスの集積化が可能である。この他、小さな面積のKGD (KnownGood Die)チップをインタポーザの上に敷き詰め透過的な大面積チップを歩留まりよく作れるといったメリットや積層されるベースチップの一部を変え多品種少量生産にも対応できるといった可能性もある。 なかでも有望なアプリケーションの一つとして、積層型イメージセンサがある。この断面模式図を図2に示す。3 次元構造の魅力は、従来のセンサLSIの周辺回路の大部分を別チップに、センシング部は、通常は最上層チップに集約できるため、 ①高いフィルファクタが実現できること ②センサをタイルのように敷き詰めることにより大面積の  センサが安く実現できること ③センサチップにメモリや演算処理機能をもつチップを積  層することにより高速で画像信号の演算ができること  ④トランジスタなどのデバイスの集積化が難しい化合物半  導体センサに信号処理用LSIを積層することにより、高解  像で高速のX線や赤外線センサが実現できる。 Siの裏面照射型可視センサはすでに量産フェーズであり、今後も引き続き市場は広がっていくと予想される。また、化合物半導体センサを使った積層型X線センサも一部、医療用・計測用で実用化されている。また、二つ以上のセンサを組み合わせたマルチスペクトルセンサも車載等のアプリケーションで使われていくと予想される。 さらに、今後期待されるのはIoTを構成するセンサモジュールである。これは、Trillion Sensor Universeと呼ばれ、大規模なセンサネットワークを構築する。建築、農業、医療、輸送等の各種社会インフラを一兆個のセンサでITネットワークに接続する。センサの使い方にもよるが、代表的なものはMEMSセンサ、信号処理回路、トランシーバ、エネルギーハーベスティングデバイスなどから構成される。 試作例としてMEMSデバイスと信号処理LSIの積層例を図3に示す。小型でパワーラインのないところではマイクロワット以下の低消費電力性が要求されるので、3次元LSI技術のアプリケーションとして最適である。また、MEMS単独のセンサではMEMSデバイスのコストに対しパッケージコストの割合が高いため3次元化して全体を一つのパッケージに組み込むことによりコストダウンが図れる。東北マイクロテック(株)3図2 積層型イメージセンサの断面模式図図3 MEMSチップと信号処理LSIの積層例図1 TSVの試作例