ブックタイトル実装技術3月号2015年特別編集版

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概要

実装技術3月号2015年特別編集版

36 今月は、「切る」「削る」「磨く」に特化した技術を有する半導体製造装置メーカーとして世界に知られている(株)ディスコをご紹介する。 インタビューさせていただいたのは、常務執行役員、営業本部長 兼 海外営業部長の吉永晃氏と、経営支援室 広報チームの岩瀬大介氏である。1.会社の概況 まずは、同社の概況などについて、吉永氏にお聞きした。―― まず、会社の略歴をお聞かせください。 当社は1937年、広島県呉市で創業されました。当時の社名は、第一製砥所でした。 1950 年に、積算電力計の磁石にスリットを入れる厚さ1.2mm の砥石を、次いで1956 年に万年筆のペン先に溝を入れる厚さ0.13mm の砥石を、さらに1968 年に厚さ40μm のミクロンカットをそれぞれ開発し、これらが当社の飛躍のきっかけとなりました。そして1975 年に、薄砥石の性能を活かすダイシング装置を開発し、半導体装置メーカーとなりました。当時のシリコンウエハの切断方法は、ダイアモンド針でけがいてチョコレートブレークするというものですが、割り損ないの不良が多かった。それに困られていた半導体メーカーにとって、当社のダイシング装置は素晴らしい福音となりました。 1977 年、第一製砥所=「Dai Ichi Seitosho CO.,Ltd」の頭文字をとって、会社名をDISCO(ディスコ)に変更し、現在に至っています。―― 現在の売上、社員数など企業の概況を教えてください。 2014 年上期の売上は652 億円で、当期純利益は97.6億円、経常利益率は21.1%と非常に好調でした。社員数は単体で2940 名、技術者数は公表していません。研究費は110億円程度で、売り上げの10 %少々です。 高品質の製品を作り、新製品のスピーディな立ち上げのために、製造はすべて国内で行っています。 広島工場が中心ですが、長野にも子会社があり、海外生産の予定はありません。―― 売上が多いのはブレードダイサでしょうか。   また海外売上の比率はいかがですか? ブレードダイサが80 %、レーザダイサが20 %でしたが、ブレードとレーザの比率は年ごとに変わっています。売上の80%が海外であり、国内は電子部品メーカーの売上が多く、半導体メーカーへの売上は少ないです。 LSI 用では、Low-k 膜をレーザアブレーションで除去し、続いてブレードダイシングする例が多いです。―― 薄ウエハ関係のビジネスはいかがでしょうか。 ウエハの強度を保ったまま薄くできるドライポリシング装置などをSEMICON JAPAN 2014で展示しましたが、LSIのTSV の本格的な量産はまだ見えて来ない感じで、当分は2.5Dでしょう。―― 今後の注力されるテーマは何でしょうか。 引き続き、KKM(Kiru、Kezuru、Migaku)に集中し、それに必要な技術開発を怠らないことです。中古装置のビジネスにも注力しています。シンガポールでオーバーホールの事業を始めました。 会社の方針として、「規模の大を追わず、社会貢献性とステークホルダーとの価値交換性を重視」しています。厚木エレクトロニクス / 加藤 俊夫■シリーズ・企業訪問 きらりと光る優良企業(第3回)「切る」「削る」「磨く」に特化してトップクラスのシェアを守る(株)ディスコ