ブックタイトル実装技術1月号2015年特別編集版

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概要

実装技術1月号2015年特別編集版

73 このところ米国の景気は、ゆるやかではあるものの継続して回復が続いているようである。新車の販売台数は前年同月比でプラス成長が続いており、住宅着工件数も増えており、先行き不透明感があるヨーロッパやアジアに比べて、好調ぶりが際立っている。回復が遅れていたエレクトロニクス製造業も回復基調が続くようになってきている。半導体は4ヶ月連続での増加で、世界の半導体業界を牽引するまでになっている。ただし、9月の伸び率はやや鈍ってきている。新規設備投資が減少に転じているのも不安要因である。北米のEMS 産業は、4ヶ月高止まり状態続いており、飽和しているかのようである。米国が得意とする大型コンピュータと産業用電子機器も高いレベルが続いていたが、9月は微減となっている。 北米のプリント配線板産業のB/Bレシオは、もう半年以上1.00前後で推移している。9月は前月から0.02 下落して0.99となり、マイナス成長の領域に入っている。9月の出荷額は前月比で10.1%の増加である。前年同月比では2.8%の減少で、年初からの累計でも1.2%の減少である。第4四半期の出荷額が増大する可能性があり、2014 年通期での出荷額は、ほぼ前年並に落ち着きそうである。いっぽうで、9月の受注額は、17.0%の急増となっている。前年同月比でも、10.6%の増加である。年初からの受注額累計では、まだ4.2%の減少であるが、第4 四半期も現在の回復傾向が続けば、マイナス幅はかなり小さくなるものと考えられる。 年末商戦へ向けて台湾プリント配線板業界は順調に出荷を増やしており、9月は今年に入ってからの最高を記録した。9月の上場プリント配線板メーカーの出荷額合計は476 億台湾ドルで、前月比7.39 %の増加になっている。前年同月比でも7.67%のプラス成長である。特にフレキシブル配線板の伸びが目覚ましい。出荷額で4分の3を占めるリジッド配線板は前月比で1.46%の増加で、相対的に増加率は小さい。一方フレキシブル配線板は、前月比では32.34%の大幅増加である。前年同月比でも16.46%の増加と、比較的大きな伸びとなっている。その増加分の大部分が、最大手メーカーのZD Technologyによるもので、米国アップル社のiPhone 6 の立ち上げが大きく寄与しているものと考えられる。年初からの3 四半期の出荷額累計でも、リジッド配線板が5.1%の成長であるのに対して、フレキシブル配線板は15.3%の成長となっており、フレキシブル配線板の成長率が際立っている。リジッド配線板とフレキシブル配線板を合わせた上半期の累計出荷額は3726 億台湾ドルで、前年比6.89 %の増加となっており、成長率の大部分がフレキシブル配線板によるものである。 メーカーによる違いは小さくない。リジッド配線板メーカー最大手のUnimicron 社の9月の出荷額は、前年同月比で4.05 %の増加に留まっている。リジッド配線板2 位のHannstarは9.28 %の減少である。主要用途であるPC の回復が期待したほどに進んでいないことによるものと考えられる。いっぽう、フレキシブル配線板メーカー最大手のZD Technology 社の9 月の出荷額は78 億台湾ドルで、前月比で31.7 %の大幅増加である。2 位のCareer Technologyは50.7 %、3 位のFlexiumは28.4 %と、いずれも2 桁の増加を果たしており、年末商戦へ向けてのスマートフォンやタブレットPC向けの出荷が順調に増えているようである。 最後の四半期を残して、台湾のプリント配線板業界全体としては成長基調にもどりつつあるといえるが、2014年通期では2桁成長にはとどかないものと考えられる。1.151.101.051.000.950.900.850.8014/0114/0314/0414/0514/0614/0714/0814/0913/1013/1113/1214/02■北米プリント配線板 B/B値40,00035,00030,00025,00020,00015,00010,0005,000014/0114/0314/0514/0614/0714/0814/0913/1013/1113/1214/0214/04■台湾プリント配線版生産額(台湾の上場メーカー)生産額(百万NT$)年/月TPCA統計資料より作成リジッド   フレキシブル北米プリント配線板需給動向 2014年9月台湾プリント配線板生産実績 2014年9月