ブックタイトル実装技術1月号2015年特別編集版

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概要

実装技術1月号2015年特別編集版

513. 現在の主流製品は半導体マスク欠陥検査装置 ステッパに用いるマスクに欠陥があると、全チップが不良となってしまう。したがって、マスクの欠陥検査装置はきわめて重要である。同社はこの技術について長い伝統をもっており、2006 年に発売をはじめた『MATRICS』は、マスク上の欠陥や異物の検出装置として、大手半導体メーカーの最先端ラインで高く評価されている。最新装置では、光源として213nmの波長のレーザを開発、特殊な高分解能対物レンズを採用し、その結果、最高感度20nm の検出が可能になった。 また、マスクブランクス(注1)欠陥検査装置でも、355nm のレーザを新規に開発し、微少欠陥の検出感度を上げた結果、16nmLSI以降の世代のブランクス検査に対応している。マスクブランクス検査装置は業界の標準検査装置としての実績を確立している。 マスクの欠陥検査ではないが、隣り合うラインパタンのマスクの位相を反転させて解像度を上げる位相シフトマスクがLSI 生産に用いられているが、その位相を調べる検査装置を世界初の商品として開発された。その位相シフトとその検査装置の原理を図2に示す。(注1)マスクブランクスとは、フォトレジスト用のマスク(レチクル)を作製するための、石英ガラス上に遮光用のクロム膜と電子ビームレジストを塗布した製品。HOYAなどから、マスク製作会社に販売されている。4. 早すぎた?  EUV用ブランクス欠陥検査装置の開発 13.5nmと超短波長の光はEUV(Extremly Ultra Violet)と呼ばれ、これを用いたステッパは超微細加工が可能で、その開発が期待されている。そのEUVマスクブランクス欠陥検査装置では、(株)EUVL 基盤開発センター(EIDEC)が推進するプログラムの一つであるEUVマスクブランクス検査技術プログラムに参加し、EIDECと同社が共同開発中である。EUV用マスクブランクスの構造は、MoとSiを数十層積層した構造で、これで13.5nmEUV 光の反射率が70 %程度になる。欠陥は、Mo/Si 層上に異物などが載っている場合は検査が容易であるが、最下層にある場合は検出が困難である。そこで、同社の検査機では、EUV光(波長13.5nm)を用いて検査し、なんらかの異常があるかどうかを調べている。異物の形状や種類も分かり、実用上の問題があるかないかが調べられる。 EUV 用装置については、EUVステッパの生産導入が従来の計画より大幅に遅れているので、この検査機もいつ実際の生産ラインに使われるようになるか不明である。開発が早すぎたといえるか、または間もなくブームがくる、その先取りとなるか?最先端の装置開発タイミングは、難しい経営判断が要求される。5. 期待されるTSV用測定機器 TSV(Through Silicon Via;貫通電極)は、数年前から量産導入が期待されているが、イメージセンサを除いて、一般のLSI への導入が遅れている。しかしLSI の微細化をこれ以上進めるには、技術的困難の他に膨大な費用が必要な経済的な理由から、今後の方向として微細化と併行してTSVの量産が進むとみられている。TSVには、Via1st、Via Middle、Via Last の3 種類が検討されているが、量産にはVia MiddleかVia Lastが有望と思われ、同社もこの2タイプ用の検査装置を開発しており、今後大いなるビジネ図2 位相シフトマスクの原理と位相差検査装置の原理 スが期待される。