ブックタイトル実装技術10月号2014年特別編集版

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概要

実装技術10月号2014年特別編集版

38 現在の製造工場には、設計との連携が不十分であるために手直しが必要となる状況が、ときどき見られる。 ランドの形やサイズ位置が、部品メーカーや基板メーカーの推奨ということでそのまま取り入れられ、実際の部品との違いを確認せずに現場に伝えらている。 量産現場ではそれぞれの環境の事情によって部品や基板品質が安定しない状況であるが、製造は本来、調整が必要な状態にあるにも関わらず、同じ数値管理のもとで作業されている現場が見受けられる。 規格をつくり、指示する方としては、最低限のものを示したつもりであっても、受け取る方はこれを限界値として捉えるために高度に変化する設計に対応できず、時間とともに問題を内在化した製品作りになってしまい、市場でトラブルが発生して初めて気がつく、という状態になりかねない。 規格や規則は、その前提の変化にあわせて絶えず変えなければならないが、日本の社会では、特別な事情がなければ、一度決めた規格や規則はそのままで次々と新しい規格・規則が追加される。ものづくりにおいては、現場裁量が極端に狭まれており、本来、あるべき姿からはずれている。 また、海外展開や一時のリストラなどでの人材不足によって、過度の規格頼みの工場運営になっている。部品が安定しない状況でのものづくりは、その手順と共に望むべく完成品の基準が重要である。 現場の条件からみて、無理をしなければできない設計が多くなっているため、品質規格の本質を外れない範囲で現場の裁量を広げ、より柔軟な対応ができるようする必要がある。特に、海外工場では当初は細かい情報まで伝えられ、サポートも受けられるが、人の移動もあり、時間とともに数値変更のみで細部のノウハウ的な情報は伝えられなくなる。 特に、はんだに関しては、現場が工場環境にあったものを選び、その品質を本社や発注元が判定する方法に変更することで、不良を削減し、無駄な検査工程を省くことができる。現在は、はんだの変更については現行のメーカーであれば比較的認可されるが、他社への変更は未だ難しく、基板設計や装置との相性の良くないものが使われている。同じメーカーでも品名が異なればフラックスの熱特性も変わるので、化学的品質チェックは新規製品同様の評価が必要である。 京都府実装技術研究会では、現場でのフラックスの熱特性評価方法とフローのリフロー化、及びディスクリート部品のリフロー化の実験を行っている。評価判定は、最終結果ではな実装技術アドバイザー / 河合 一男量産現場における良否の判定基準と対応図1耐熱性が高く、かつ早い段階でフラックスがフィレット上で暴れ、外へはみ出す特性が見られる①フラックスのはみ出し(破線部) ②はんだ粒子のはみ出し(矢印部)③はんだのぬれ広がり不足(破線⇒部)注:フラックスと度プロファイルの不適合が原因温度プロファイルの変更によりはんだ粒子のはみ出しとぬれ広がりは改善しているフラックス残渣のはみ出しは変わらない。また、フィレット表面の滑らかさも不足しているが特に問題になるレベルとは思われない