ブックタイトル実装技術3月号2014年特別編集版

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概要

実装技術3月号2014年特別編集版

19高放熱プリント配線板から高耐熱プリント配線板へ電子機器の進展を支える配線板技術 この基板の特徴は、図2 に構造を示すとおり、約200W/mKの熱伝導度のアルミ(国内はA6000シリーズが主流)と銅箔の間にアルミナを主体とした80?120μmの比較的薄い絶縁層(熱伝導率1.8?3.0W/mK)が入っていることにより、全体的な熱抵抗を下げていることで、この絶縁層が、LEDチップ及びはんだとアルミの熱膨張差を緩和する役目も担っている。この製品の熱抵抗は、アルミ板厚1mm、絶縁層厚80μ m、銅箔厚35μ m、パッドサイズφ5mmで0.65℃ /Wである。3. 片面2層アルミベースプリント配線板 この基板の特徴は、極薄の両面板をアルミベースプリント配線板に貼り合わせることにあります。ある時はアルミナベースの両面板を貼り、ある時はFR-4材料を貼り、ある時は一部をくり貫いたFR-4材料を貼り合わせました(図3)。 片面2 層にする目的は、メタルベースプリント配線板のパターンが片面しか形成できない欠点を補うために、パターンが両面に形成された基材をアルミ板に貼り付けたり、アルミベース基板材料に貼り付けたりする。このときの接着材料は熱抵抗の低い極薄のボンディングシートもしくは前述の80 ?120 μ mの高熱伝導絶縁材料を用いる。 この基板の用途としては、比較的高密度なフルカラーのLEDの実装やインバータ基板への採用が可能になる。4. フラット構造銅ベースプリント配線板 LEDの出力が5Wを超えてきた場合や、1WクラスのLEDを高密度実装した場合には、アルミベースプリント配線板の熱伝導では不十分になる。その場合にLEDの熱を直接銅に伝達する構造が必要になる(図4)。 この基板の特徴は、LEDの放熱部分以外の銅をあらかじめ「銅箔+絶縁層厚」分を掘り込み、後から銅箔と絶縁層を接着する構造である。LEDから発生する熱は、はんだを経由して直接銅板に流れるために、熱抵抗は非常に小さくなる(熱抵抗は、銅板厚1mm,開口サイズφ5mmで0.29℃ /W)。 銅ベースプリント配線板の問題点は、銅部分の防錆処理をどうするかである。部品搭載面は無電解ニッケル金めっきやプリフラックスにてコーティングが可能であるが、裏面は高価な金めっきまたは他の防錆めっきが必要となる。5. キャビティ構造アルミベースプリント配線板 この基板の特徴は、前述のフラット構造銅ベース基板のコストダウンバージョンとして、構造を一部改良し、アルミベースプリント配線板の絶縁層をくり貫き、アルミをむき出しにして、はんだ付けできるように特殊な方法で無電解ニッケル金めっきを施したものである(図5)。 このことにより、LEDから発生する熱は、はんだを経由して直接アルミ板に流れるために熱抵抗は非常に小さくなる。キャビティ構造にするために絶縁層はできるだけ薄く(株)ちの技研図3 片面2 層アルミベースプリント配線板の構造図4 フラット構造銅ベースプリント配線板図5 キャビティ構造アルミベースプリント配線板