ブックタイトル実装技術1月号2014年特別編集版

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概要

実装技術1月号2014年特別編集版

561.はじめに ~メモリの全般状況~ 本レポートは、3 次元NAND フラッシュ・メモリ(以下、3D-NANDフラッシュ)について詳しく説明するのが目的であるが、メモリに詳しくない方のために、まず最初に半導体メモリ全般について簡単に述べておく。 現在、半導体メモリといえば、DRAM(Dynamic RandomAccess Memory)、SRAM(Static Random AccessMemory)、フラッシュの3種類が主なタイプで、それ以外にFeRAM(Ferro-electric RAM)などもあるが、まだ主流製品ではないので、ここでは省略する。1. DRAM DRAMの1ビットは図1のように、MOSトランジスタとキャパシタで構成されている。MOSは、ビット線とワード線がアクセスされた時に導通してON 状態になるスイッチの役目を行っている。その時、キャパシタに電荷が貯まっているかどうかでONかOFFと検知される。MOSが導通していない時もキャパシタは完全には絶縁されていないので、電荷が逃げていく。そこで、電荷が失われる前に再度書き込む必要がある。これをリフレッシュと呼んでおり、1秒間の数十~数百回も行う必要があることから、DynamicRAM と呼んでいる。キャパシタの容量が大きければ、頻繁にリフレッシュする必要がなくなるが、1ビットの面積を小さくして集積度を上げるためには、キャパシタの面積をできるだけ小さくする必要があり、トレンチを掘って側面を利用するトレンチ型や、基板の上部にキャパシタを重ねるスタック型が用いられ、さらに誘電率の高い材料も用いられて、プロセスが複雑になってきている。2. SRAM SRAMは、図2のようにフリップフロップ回路である。フリップフロップというのは、ぎったんばったんと動くシーソーのことで、図のMOS・Q1がONになれば、MOS・Q2がOFF になり、Q 1がOFF なら、Q 2がON になる。このように、どちらが「ぎったん」で、どちらが「ばったん」かによってON-OFFを決めるメモリである。動作速度が速く安定した動作が期待されるので、キャッシュメモリとして良く用いられている。最近のロジック系のLSIでは、チップ面積の半分ぐらいがSRAMで占められている場合があるようである。SRAM の問題点は、MOS6個で1 ビットであるから、ビットあたりの面積が大きく、集積度を問題にする用途には向いていないという点である(MOS4 個と抵抗2個からなるSRAM もある)。 以上、DRAM とSRAM の説明で分かるように、どちらも電源が繋がって動作している場合はメモリの状態が保たれるが、電源を切るとメモリが消えてしまう。これを揮発性と呼んでいる。厚木エレクトロニクス / 加藤 俊夫メモリの大革命3次元NANDフラッシュ図1 DRAMのビット構成図2 SRAMのビット構成