ブックタイトル実装技術12月号2013年特別編集版

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概要

実装技術12月号2013年特別編集版

444.チップ立ちの抑制 チップ立ち抑制方法を発生3 条件から、おのおの考えてみる。(1)浮き側電極へのはんだ未着 図2 ①~④は、おのおのについて対処する。⑤の対策としては「電極のぬれが良い(安定している)部品を使用する」こと、及び「基板内の温度差をできる限り均一化する」ことが有効と推察されるが、どちらも原因究明とその対策は難しい。そこで次善の策として、はんだのぬれ上がり時間を遅くすることが有効ではないかと考える。図2 内⑤右電極への、はんだぬれ上がり時間を遅らせ、左電極へ溶融はんだが接合するまでの時間を確保することで、発生率を下げることができるのではないか。ぬれ上がりを遅らせる方法を以下に示す。 ●はんだ溶融温度付近の昇温速度低下(コンベア速度低  下、昇温ゾーンを増やす) ●2種合金など溶融時間を考慮したソルダペーストの使用 ●はんだ付け性を抑制したソルダペースト使用(プリヒー  ト条件等、他の要因でぬれ性が劣化する場合もチップ  立ちは減少の方向となる) 上記3項で現実的な方法は、昇温速度低下であろう。また、リフロー時 下側ヒーターを主に使用することで部品の温度上昇を抑えることは、効果的かもしれない。(2)パッド設計、部品仕様 以下2点によりチップ立ちは低減する(図1 参照)。①パッド突き出し長さを短くする →促進モーメントT3を弱める②部品電極幅を広くする(パッドは電極幅以上の長さが必 要) →抑止モーメントT2を強める 望ましい付き出し長さと部品電極を表1 に示す。ただしこのデータは、チップ立ちが発生しやすいVPSリフロー(※注1)の結果で、赤外/エアのリフローではない。 部品重量及び長さの増大により、図1の抑止モーメントT1が増大するのでチップ立ちは減少するが、これは対策にならないため除外する。(※注1)VPS リフロー(Vapor Phase Soldering):気相はんだ付け。蒸気相中でリフロー加熱を行う方式(3)電極へのぬれ上がり抑制 電極へのぬれ上がりを遅くすることで、チップ立ち促進モーメントT3は小さくなると考える。ぬれ上がり遅延の方策は、前述した浮き電極のはんだ未着抑制方法の(図2の⑤の対策)電極へのぬれを遅らせる方法と同様である。 以上、チップ立ちの発生原因と防止方法について記した。現状は、チップ立ちは発生するが不良率もそれほど高くなく、原因も良くわからないことが多い。いくつかの交互作用で発生している可能性が高く、原因を特定することが難しいように感じるのである。確認できる項目をチェックして原因特定できればよいが、そうでない場合はマージン確保を目的に全体的な対策を取り入れることも良かろう。たとえば、パッド設計変更、電極幅の比較的広い部品導入、リフロープロファイル変更などの方策を取り入れるのも、次善の策として考えてみては図6 加熱時のだれによるはんだショートどうだろうか。表1 望ましい電極幅とパッドつき出し長さ