ブックタイトル実装技術10月号2013年特別編集版

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概要

実装技術10月号2013年特別編集版

16電子部品技術電子部品発熱量測定システム『PM-100』~①測定原理について~123   はじめに 当社は平成25 年7 月に電子部品発熱量測定システム『PM-100』を商品発表した。販売にあたっては、当社での受託熱解析シミュレーションの一環としての電子部品の発熱量測定サービスを2 年以上行ってきており、この実績を踏まえての商品化である。翌月から受注を開始しており、ユーザーの自社内での電子機器製作において、電子部品の発熱量測定から熱シミュレーションに至る熱設計プロセスの改善に大きく役立つものと考えている。 この電子部品発熱量測定システムの主な特徴は、次の3点である。 ①発熱量を5%以下の推定誤差で測定できる ②実動している回路上で計測が可能である ③熱解析シミュレーションとの連携により、熱設計プロ  セスの精度向上が実現できる なお、①は単一部品の場合である。周囲の発熱部品の影響に関しては後述する。また、③は本システムの直接的な機能ではないが、お客様の最終目標である高効率、高品質な設計プロセス環境の構築に役立つのである。   開発の背景 近年、電子機器は高性能化・小型軽量化のために部品が高密度実装されており,故障・不具合抑制のためには熱対策が必要不可欠である。その手法として熱解析シミュレーションを活用した熱設計の需要が増大しているが、その入力値としてもっとも重要な消費電力に関してはほとんど検討されていなかった。電子部品は動作内容によって消費電力が変動するため、仕様書からは最大消費電力の情報しか得ることができず、実用的ではない。プリント配線板に実装された各電子部品は他の部品と連動して動作するため、必要な部品だけを取り出して個別に動かしながら消費電力を測定することはできない。その結果、熱解析シミュレーションにおける消費電力としては、不明瞭な値を使っている例が多く見られ、精度の高い計算を行う障害になっていた。 そこで、水冷式ヒートシンクを測定対象の部品上面に取り付け、水温上昇から簡易的に発熱量を推定する方法を検討した。この状態での測定はプリント配線板への放熱量を見逃すため、それを補正する方法を考案した。なお、この開発は、(株)サーマルデザインラボ、名古屋市工業研究所と共同で行ったものである。   開発した測定方法1.測定原理 図1のようにプリント配線板に実装された電子部品の上面に水管を通した水冷式ヒートシンクを密着させ、ここで吸熱する。上面の熱抵抗が小さければ発熱量の大部分が冷却水に吸収され、水温が上昇する。このとき吸熱量Q [W]は次式で求めることができる。(株)SiM24 / 長光 左千男図1 測定原理