ブックタイトル実装技術6月号2013年特別編集版

ページ
49/54

このページは 実装技術6月号2013年特別編集版 の電子ブックに掲載されている49ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

実装技術6月号2013年特別編集版

63 基板と基板の接続には、直接コネクタで接続する方式(Board-to-Board)(図9)、フレキに部品を搭載したり、フレキと基板を積層したリジットフレキ基板を使う方式、はんだ付けのジャンパを使用した方式や、ハーネスを利用した方式などがあります。ケーブルとしてはフラットケーブル(図10)、一般的なハーネス(電線)、同軸ケーブル(細線同軸)(図11)などが使われます。 これらについては、コネクタを含め価格や電気特性で長短があり、これらを勘案して適当なものを選びます。 高速信号で配線の特性を重視する場合は、同軸ケーブルやグランドプレーンのある2 層フラットケーブルが使われます。信号線が少ない場合には同軸ケーブル、多い場合にはフラットケーブルがよく使われます。信号が中程度の場合はコストを考えて1層フラットケーブルで信号の両側にグランドネットを配線するコプレナ配線(図12)を使って配線のインピーダンスを制御します。 同軸ケーブルはインピーダンスは安定しますが、あまりに細いと高い周波数の信号では損失が大きくなるので、注意が必要です。フラットケーブルの特性は意外と良いのですが、2 層化した場合、基板と異なりプレーン層と信号層の間隔が狭く、厚さを変更できないため、そのままでは希望の配線インピーダンスが得られない場合があります。 このような場合、プレーン層をメッシュにしてコントロールします(図13)。5.ハーネスとEMI 近接した基板間を接続するような短いハーネスであれば、条件は基板配線とあまり変わりませんが、長いハーネスでは、条件が異なります。 およそ15 センチの配線では1GHz、30センチでは500MHzが共振周波数となります。これが半波長では15センチが500MHz、30センチでは250MHzとなります。 高速信号の基板配線では配線をできるだけ短くし、信号のリターン電流経路などにも注意した配線をしています(図14)。 しかし、ケーブルに対しては意外と対策がなされていません。 ハーネスは意外と大きなEMI源となっています。 ハーネスのEMI 対策としては、ハーネス全体の特性を安定させることが重要です。このためにはコネクタを含めグランド接続を強固にする必要があります。特性が安定していれば、ノイズを受けても共振しにくくなります。 長いハーネスは基板や筐体に長い距離を沿って配線することが多く、このような場合、基板や筐体と共振しやすくなります。またハーネスはその性質上、しっかりと固定されず、ある程度動くことがあります。 このハーネスの動きや移動はやはりハーネスと基板や筐体との関係が安定せずに特性が不安定となる原因です。ハーネスの動きに従って電磁放射が変化することがあります。 測定やシミュレーションによって、放射が小さくなる位置にハーネスをしっかり固定する必要があります。 また、別にハーネスを覆って、電界と磁界を放射するような放射対策部品もあります。<参考資料>1)ボーイング社HP  http://www.boeing.jp/BoeingJapan/  media/BoeingJapan/787%20Updates/ bkg-787-electrical-system_final(J)-1.pdf■マエダ シンイチKEI Systems、(株)日本サーキット。日米で、高速システムの開発/解析コンサルティングを手がける。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図11 細線同軸図12 コプレナ配線図13 メッシュフラット図14 基板のEMI 対策配線(HyperLinx DRC/Mentor Graphics)