ブックタイトル実装技術6月号2013年特別編集版

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概要

実装技術6月号2013年特別編集版

49認できる方法をあらかじめ確立しておく必要がある。 多層基板では内・外層パターンの熱移動の影響でホール上部が熱不足になるが、特に内層のベタパターンは外からでは見えないので、速度を遅くして時間で熱供給を行う。その場合も、前記と同様にフラックスの劣化を抑えるためにフラックスの熱特性に合わせて、はんだ槽の温度は抑え気味に設定する必要がある(図7)。 従来の鉛はんだは、その流動性から基板厚の1/2 程度まではんだ槽に浸漬すれば毛細管現象でホール上までぬれ上がったが、鉛フリーはんだは表面張力が強く浸漬されない部分までぬれ上がることは難しい状態である。 温度プロファイルの測定は、基板上面のスル?ホールと部品リード及び基板上面の任意の個所を測定する。ホール上がりに関しては、ホール上面の温度が低ければはんだは上がらないので、多層基板では特に問題となる個所は測定確認が重要である(図8)。●はんだ付けにおける必要熱量必要熱量=温度×時間×基板とはんだの接触面積×その他     の要因 量産現場はその前提条件が多種多様である。これはスポーツと同様に、本やVTR を見てもなかなかすぐには結果を得られるものではないので、実験時の設定条件とその結果の変化などを繰り返し観察することがもっとも重要となる。 なお、筆者も、8 月下旬に東京のTH 企画セミナーセンターで開催されるセミナーにおいてその観察ポイントを詳しく説明するので、興味のある方はご参加いただければ、と思う。図7図8パターンに繋がっているホールのはんだ上がりが不足しているが、パターンからの放熱が少ない設計では十分に上がっている<手はんだの光沢>パターンのある方のフィレットはパターンからの放熱で急冷状態になり、フィレット光沢が良好鉛はんだの噴流では、ホール上まで鉛の流動性ではんだがぬれあがっている鉛フリーはんだでは、ランドからの放熱でホール表面が冷却されると表面張力でその流動性が失われ、ホール上がりが悪くなる※高温作業の糸はんだ(手作業やロボットはんだ付け)の場合でもフィ レット光沢に影響する図6部品上に大型のヒートシンクがあるために、基板上部からフラックスを塗布して強制的にはんだをあげている同じ部品でもパターンからの放熱ではんだ上がりが不十分になる